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前走大敗の1番人気は?

  • 2011年05月10日(火) 12時00分
 今週のヴィクトリアマイルにはブエナビスタが出走を予定している。競馬はやってみないと結果の分からない競技であると同時に人気ですら発売が始まってみないと分からないものだが、さすがに1番人気にはなるだろう。

 一方でブエナビスタの前走はドバイワールドカップ8着。海外でのレースとはいえ、大敗直後の1番人気という形に不安を覚えるファンも少なくはないだろう。

 そもそも、前走で掲示板を外すような大敗を喫しておきながらG1で1番人気になるような馬というのは、過去にどのくらい存在したのだろうか?

 その数はかなり少ない。古馬の平地G1、カク外は除くという条件だと、平成以降の20年以上で見ても、その数は全部で5頭。うち、ウオッカ(ドバイデューティフリー7着→ヴィクトリアマイル1着)、ダイワメジャー(天皇賞秋9着→マイルCS1着)、ジェニュイン(天皇賞秋14着→マイルCS1着)は人気に応えて勝っている。残り2頭はナリタブライアン(天皇賞秋12着→JC6着)とトロットスター(シルクロードS6着→高松宮記念5着)だ。

 5頭いて3勝、2着は無しなので勝率連対率ともに6割ということになるが、実はこれは平地G1の1番人気馬全体(勝率33.9%・連対率55.1%)よりも良い数字だ。

 5頭ではサンプルが少なすぎるので、「前走馬券の対象から外れながら1番人気」とすると、前走4着組が(2.3.2.3)、前走5着組が(3.0.0.1)で加わる。先述した5頭を加えた成績は(8.3.2.6)で勝率42.1%・連対率57.9%。これでもまだ1番人気全体よりはやや良い数字だ。

 ちなみに、これが2〜3歳限定のG1だと前走4着以下の1番人気は(2.2.4.9)、前走6着以下は(0.1.2.5)で前走1〜3着組をだいぶ下回る。やはり古馬についてのほうが、ファンも適切なジャッジをしやすいということなのかもしれない。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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