先週の主なレースのパドック回顧と次への指針を書いておきます。

【NHKマイルC】

　勝ったグランプリボスは前走はとは雲泥のデキ。馬体が絞れていたし、落ち着きも今までにないくらいのもの。堂々とした姿で風格すら感じました。矢作調教師はデキ落ちとコメントしていましたが、それは調教など一連を見てきた印象でしょう。当日のデキは素晴らしく、正にG1を勝つ仕上げだったと思います。

　サクラバクシンオー的なボリューム感がありながら、母父サンデーサイレンスの切れを兼ね備えた馬。マイル界に久しぶりに強い馬が出てきた印象です。次走はイギリス遠征とのことですが、ボリュームもある馬なので、イギリスの馬場は合いそうな感じがします。

　2着のコティリオンはデビュー当時の甘い造りが解消してきて、大分しっかりとした体付きになってきました。まだまだ完成度は低く、伸びる余地が大きい馬ですが、大分マシになってきました。体型的には距離が延びても問題ない、どころかむしろいいくらい。ダービーに出てもそこそこいいところがあるのでは？

　3着のリアルインパクトは良い馬体でしたが、もっと気性面でディープっぽさが出てもいいかも。ディープの子にしてはモッサリとした感じがあります。大物感はありませんが、堅実に走るタイプでしょう。

　4着のエイシンオスマンは強行軍ながらプラス8キロの馬体重での出走。よく走ったと思いますが、コース的には阪神とか中山とかの方がよさそうです。

　5着のプレイは地味なこの馬なりに良い競馬だったと思います。ただ、小回りで器用さが強調できるコースの方がよさそうです。

　6着のマイネルラクリマは配当的になめ過ぎの感はありましたが、それを証明するようによく伸びていました。使った次走はもっとやれそうです。

　8着のフォーエバーマークは素晴らしい体付きでした。距離短縮なら変わります。

　10着のアイヴィーリーグはキャリアの浅さが出た感じ。直線で揉まれてひるんだ感じです。ただ、馬体はこのメンバーでも見劣りしませんでしたし、この経験が生きてくると思います。先々はこのクラスに帰ってこられる馬でしょう。

　12着のヘニーハウンドは結果的に1ハロン長かった感じ。キャリアの浅さもあったかもしれませんが、現状は1400mくらいの方がよさそうです。

【京都新聞杯】

　1番人気のレッドデイヴィスは大幅に馬体重が減っていましたが、細くはなかったですし、張りもあってパドックでは一枚上の存在感を見せていました。ただ、返し馬に行くと変な気負いが見られ、結果的にあの時点からおかしかったのかも。骨折していたようですね。復帰してマイル戦ならまた強い競馬を見せてくれると思います。

　クレスコグランドは、今の時計が速い馬場はどうかと思いましたが、あっさり勝たれてしまいました。春で一線級とやれるかと言うと疑問符はつきますが、そこそこいい走りを見せてくれそうです。

　ユニバーサルバンクはマイナス2キロの馬体重ですが、前走よりもビッシリと作ってきた感じ。「ダービーへ」という意思を感じる作りでした。これでダービーは賞金面で大丈夫でしょう。ただ、よほど条件が揃わないと苦しいでしょう。

　このメンバーで一番素質を感じたのはパッションダンス。脚長で距離が延びていいタイプですし、完成度はまだまだ低いので、伸びしろが大きいです。この夏使っていけば、菊花賞の頃にはいい馬になっていると思います。

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