週間天気予報を見ると、日曜日までずっと曇と傘のマークがついている。この調子だとダービーはパンパンの良馬場になりそうにない。先週のオークスと同じく、パワーも要求されことになるだろう。
そのオークスでピュアブリーゼは、8番人気ながらクビ差2着に粘り、穴の片棒を担いだ。父のモンズーンはドイツの年度代表馬にして名種牡馬。頑固にスタミナとパワーを追求してきたドイツ血脈だ。
母系もやはりスタミナとパワーに富む欧州血脈。馬場入場のころから降り始めた大量の雨は、ピュアブリーゼにとってはまさに天の恵み。絶好のお膳立てだったと言える。
勝ったエリンコートも、母系のベースは欧州伝統のステイヤー血脈である。事実、今年2月のダイヤモンドS(3400m)を、近親のコスモメドウが勝っている。エリンコートのスタミナとパワーは、父のデュランダルではなく、明らかにこの母系から譲り受けたものだろう。
オークス同様にダービーも、欧州血脈が鍵を握るとみた。これで最も気になるのがデボネアだ。母の兄ムーンバラッドは、ドバイワールドCを勝ち、英ダービーで3着。母の父シングスピールもドバイワールドCの覇者で、2400mの芝にも強く、英G1のコロネーションC、さらにジャパンCを勝っている。
対する父のアグネスタキオンは、本質的には短中距離血統で、2400m級の大レースは用心しないといけない血統である。しかし一方で、配合牝馬の資質を巧みに産駒に引き出す、絶妙の「併せ技」を持っている。
ディープスカイ(ダービー)は、この併せ技で生まれた代表産駒だ。母の父に従えたチーフズクラウンは、エルハーブ(英ダービー)を送り出し、英愛の種牡馬ランキングで2位になった実績を持つ血統である。
おそらくデボネアもこのディープスカイと似たタイプだろう。スタミナに関しては、まず問題ないとみる。アグネスタキオン産駒はスピードと瞬発力が身上だが、実は道悪もなかなか巧い。
しかも、鞍上には名手デットーリを起用してきた。ダービーはこのデボネアから手広く買ってみようと思う。