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ダービー勝つのは「星」!?

  • 2011年05月26日(木) 18時00分
 今年のダービー出走メンバーは実力伯仲で、「戦国ダービー」と言われるほどの混戦模様。08年に生産されたサラブレッド7458頭の中で、一番星となるのはどの馬なんでしょうか?

「星」といえば、レースではメンコ隠れていますが、パテックの額には星型の白があるんですよ。

 400mの距離延長は大丈夫なのか…という質問に、先生は「問題ないです。皐月賞では力負けしたわけじゃありませんからね。素直な馬ですし、終いしっかり使う脚もありますから」ときっぱり。

西園調教師


 そして「15歳からの世界に入って40年。これほどのいい馬に巡り会って、ダービーで人気になるなんてそうあることじゃありませんよ。チャンスだと思っています」と巻き返しに向けての決意を語りました。

 その期待を背負って跨る岩田騎手は、毎週の調教にも乗っています。

 岩田さんに今週の追い切りのことを聞くと「14-15から入って、終いを伸ばす感じの内容だった。もう少時計がかかるかと思っていたけど、坂路で51.4秒だからね」と、ベスト時計をマークした相棒のことを語りました。

 また、レースに関しては「ポイントはゲートを五分で出ること。それができれば、やれる」と力強いコメントをくれました。

 しかし、これほどの人気になって、担当の塩満さんはさぞかし緊張しているだろう…と思いきや「特に変わったこともしていなし、いつもどおりパテックやで〜」と、いたって平静モード。

 それもそのはず、塩満さんは中尾正厩舎のときにオースミブライトでダービーは経験済み。さすがはベテラン。キャリアが違います。

 ブライトには僕も跨らせてもらったことがありますが、本当にいい馬でしたね〜と話すと、「あのときは4着やったからな〜。少しでも前にいきたいよな」とポツリ。その気持ち、すご〜くよくわかります。

 少しでもなんて言わず、もっともっと前に! と期待していますよ〜。

 さて、ダービー3頭出しで話題だった池江泰寿厩舎ですが、残念ながらダノンバラードが回避。しかし、本命2頭を送り込み、意気込みもばっちりです。

 まずはオルフェーヴル。

 水曜の追い切りは、池添騎手が騎乗。坂路をフォゲッタブルと併せ52.3-12.5秒でした。「はじめの2Fは折り合いをつけ、その後は馬体を併せて強めにと指示しました。乗り役の指示というよりも、馬自身が自然に伸びていましたよね」と、池江先生は満足そう。

 皐月賞後2週間は回復に時間をかけたといいますが、先週と今週は強めの負荷をかけて臨戦態勢を整えました。強めに調整されたわけですが「馬体重が減らなければ、強烈な脚を使ってくれると思います」と自信ありそうでしたね。

 跨っての感想を池添騎手に聞くと「折り合いもついたし、反応もよかったですよ」とのこと。

 また、「皐月賞のときより上積みあります。ひとつだけ気がかりなのは、スタートが正面スタンド前なこと。この馬のセールスポイントは瞬発力なので、それを活かすレースがしたいですね」と話してくれました。

 皐月賞では池江先生が「途中で何度もハミを噛んで行きたがったが、池添騎手が上手く抑えてくれた」と評した池添騎手でしから、今回もきっと魅せてくれるでしょうね。

 もう1頭のトーセンレーヴは、プリンシパルSで権利をつかんでの出走。

 今週の追い切り坂路で行われ、2Fほどで折り合いをつけで最後はやや流す感じでフィニッシュ。タイムは53.3-13.2秒でした。これは、レース間隔を詰めて使ってきたレーヴのことを考えて軽めの調整にし、レースで100%の力をもらおうということのようです。

 その証拠に、先生は「馬場の荒れているなかで、この時計は十分」と納得顔。そして、やはり勝負のポイントは「馬体の回復」とのことでした。

トーセンレーヴ


「この馬の持ち味は競り合いに強いこと。ブエナビスタの弟ですし、日本を代表する馬であるディープインパクトの仔です。日本競馬の質を高め、世界に通じる馬を作るために、なんとしても勝たなくてはと思っています」(池江師)

 そんな、熱い決意を胸に大一番に臨みます。

 さてさて、最後に今回の僕のイチオシ馬コティリオンを。この馬、2歳のときに取材させてもらったんですが、橋口先生は「ダービーにいくからね!」とおっしゃったんですよね。

 で、今週行くと先生は、「なっ? 言ったとおりになったろ?」とニコニコ顔。先生はサラリッと言いますが、毎年1万頭近いサラブレッドが生まれ、その中でダービーに出られるのはたったの18頭。ここに入ることが、どれだけ難しいか…。

 で、肝心の今年のレースのこともお願いします。

「この馬に、直線の長いコースは合う。前に壁を作ってタメを作れたら、NHKマイルCのときみたいに伸びてくるでしょう。体重は増えてないけど、馬体はガッチリしてたくましくなってきたよ。今回は切れる脚を持っているメンバーが多いから、鍵は枠順かな」(橋口師)

 さて、5枠9番はコティリオンにとって吉と出るんでしょうか?

 今週末のレースが待ち遠しいですね!

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1977年8月2日、大阪府生まれ。96年3月に中尾正厩舎所属でデビュー。同期に福永祐一、和田竜二らがいる。96年3月10日、タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビューからの約5か月で12勝をマーク。しかし同年8月、レース中に落馬事故を起こし意識不明に。その後、奇跡的な回復をみせて復帰。03年には中山GJでビッグテーストに騎乗しGIを制覇をする。 04年8月28日、小倉競馬場で行われた豊国JSで再び落馬。レース復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は、栗東トレセンを中心に、精力的な取材活動を行っているほか、えふえむ草津(785MHz)にて『常石勝義のお馬塾』(毎週土曜日9:45〜)に出演中。

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