今年の4歳世代は強い、と評判である。早くも最強世代とまで呼ぶ人もいる。
そもそも、強い世代弱い世代の定義がどうなっているのかも曖昧なところだが、たとえば宝塚記念を対象にするなら、同一世代が2勝以上していたら強い世代と定義していいかもしれない。なにしろ、1世代1回ずつ勝つのが自然なわけで、それを超えたら強いと考えられるわけである。
2勝くらいでは足りない、と思われるかもしれないが、同一G1を同一世代が3勝以上するというのは相当に難易度が高いことである。宝塚記念を例にとると、平成以降にデビューした世代で同一世代が3勝しているのは現24歳世代(メジロライアン、メジロパーマー、メジロマックイーン)だけだ。これが有馬記念だと、昭和の終わりから平成のはじめにかけて3勝した現26世代が最新の例になる。ちなみにオグリキャップが2回優勝しているので実質は2頭だ。
つまり、現在と4歳世代が今年と来年以降の2回宝塚記念を制することができたら、十分にレベルが高いと言うことができることになる。先述した現24歳世代以降で、複数回優勝は現9、15、19、21歳世代の4世代しか成し遂げていない。
ちなみに、これらの世代が優勝するときは、2、3着に同世代の穴馬がくっついてくることが多いように思える。24歳世代の場合はイクノディクタスやオースミロッチ、タイイーグル。メジロパーマーの時は2着カミノクレッセのほうが人気でパーマーが人気薄の立場だった。
21歳世代はビワハヤヒデ優勝時に6番人気ダンシングサーパスが3着。19歳世代は穴馬は絡んでいないが、96年に同世代による1〜3着独占を実現。現15世代はホットシークレットや4歳時のメイショウドトウが人気薄で馬券に絡み、9歳世代はエイシンデピュティ優勝時にインティライミが11番人気3着した。
いまの4歳世代を最強と信じている人は、ヒモに同世代の人気薄馬を忘れずに入れておこう。もっとも、人気薄を連れて優勝するのが今年でなく来年か2年後である可能性もあるのだが。