15日の関東オークスでグランダム・ジャパン3歳シーズンが終了し、兵庫のマンボビーンが優勝となった。とはいうものの、関東オークスの出走馬が決定した時点で、その結果にかかわらずマンボビーンの優勝は決定していたのだが。
関東オークスのレース自体は、初ダートのピュアオパールが逃げ込みを図り、1番人気のカラフルデイズがゴール寸前で差し切るという見ごたえのあるものだった。しかし、グランダム・ジャパンという視点ではすでに優勝が決まっていて、まったく興味に欠けるものとなった。そういえば昨年も関東オークスの結果を待たずしてエレーヌの優勝が決定していた。
グランダム・ジャパンのシリーズは、日本では牡馬に比べ安い価格でしか取引されない牝馬のレースを盛り上げて付加価値をつけようというもので、その企画自体はすばらしいものと思う。しかしそれを構成するレースやポイントシステムには考え直したほうがいいと思うところが少なくない。
まずはレースが南関東に偏っていること。たとえば3歳シーズンは、今年は震災の影響で浦和・桜花賞が中止となったが、南関東の三冠がそのまま対象レースとなっている。
グランダム・ジャパンでは、ランキングの対象となるには2戦以上の出走という項目があるが、たとえば南関東の3歳牝馬なら、地元の三冠路線を使っていれば、必然的にその項目をクリアする。しかしそれ以外の地区の馬にとっては、2戦以上に出走しようと思えば遠征というリスクを冒さなければならない。昨年も今年も、必要項目をすべて満たして3歳シーズンで最終的にランキングされた南関東所属馬はいずれも遠征することなく、地元南関東のレースのみしか使われていなかった。
もうひとつ、たとえば3歳シーズンでは最終戦がダートグレードの関東オークスとなっていて、中央馬が相手となるため、地方馬にとっては上位のポイントを稼ぐのが難しいということ。最終戦の上位を争うのがグランダム・ジャパンとは関係ない中央馬がほとんどという状況では、やはり興味も半減だろう。
昨年は2歳シーズンと古馬シーズンについては、最終戦が地方馬のみの全国交流だったが、今年はレディスプレリュード(昨年までのTCKディスタフ)が中央との交流となったために、最終戦が地方馬のみの全国交流なのは2歳シーズンのみ。
南関東は賞金も高く、所属馬のレベルも高いため、ある程度優遇されるのは仕方ない面もあるが、それにしてもシリーズの最終戦に総合ポイントの上位を争う馬の出走が少ないのではやはり興味に欠けたものになってしまう。
来年はこうしたところを改善し、さらに盛り上がるシリーズになることを期待したい。