大人しいサンデーサイレンス産駒、こう呼ばれるものにまず魅力を感じるのですが、そういう牝馬が、この秋もいました。ファンタジーSを勝って新馬、特別、重賞と3連勝とエリートコースを快進撃中のピースオブワールドです。10月5日に出てきて、わずか1ヶ月でこの実績、とても並ではありません。
母の姉の子供にタイキシャトルがいて、パートナーの福永騎手もデビュー戦の時からG1級と確信していた通りの活躍、そのレース巧者ぶりは、早くも桜花賞の呼び声さえ聞えてきました。
さて、このサンデーサイレンスの牝馬、ここ2戦がいずれも中1週の強行軍、ちょっと気になります。このあとは、中3週で迎える阪神ジュベナイルフィリーズ。コースが変ってマイル戦、最後ひとハロンを11秒台でまとめた強さは、次でも問題ないでしょうが、このローテーションを難なくクリアーした時、これはとてつもないことになります。
サンデーサイレンスの勢いは相変わらずで、その二世種牡馬、ファンタジーSではワナの父フジキセキがそうでしたが、こういうケースでは、今のところ、絶対優位を保っています。この先の戦いがどうなるか、こちらにも注目していきたいところです。
そして今度は、混合女王の座を狙うファインモーションの登場です。
エリザベス女王杯が古馬との混合戦となった96年以降、3歳馬は延べ34頭出走して2着が2回あっただけ。世代対決で面白味を増してきたこのレースも、今年ばかりは、ファインモーション一色になりそうです。これもひとつの傾向となっていくのでしょうか。
つまり、秋の牝馬は、強い外国産馬の出番という流れです。歴戦の古牝馬に、今年のオークス馬が顔を揃えた中、このデインヒル産駒の出す結果は、いろんな意味を含むことになるかもしれません。世代対決のあとは、牡馬との混合G1が待っています。