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なでしこ初陣勝利だ!

  • 2011年07月21日(木) 18時00分
 今週は大風接近で関西地方は週明けから激しい風雨となり、水曜の追い切りがあるか危ぶまれました。が、なんとか無事に行うことができ、一安心です。

 さて、そんな日本列島では、女子サッカーがW杯で優勝し「なでしこ」旋風もわき起こりましたよね。

 なんと、競馬界にも「なでしこ」がいるんですよ。音無厩舎のクラヴェジーナ(牝2、父アグネスタキオン×母ムーンライトダンス)は、スペイン語で「なでしこ」という意味なんです。

 半兄にはプリンシパルS、2着のムーンリットレイク(牡3、父ディープインパクト)がいる期待馬。さっそく、今週の7月24日(日)新潟5R(芝1800m)にユーイチ騎乗でデビューする予定です。

 東田助手曰く「牝馬にしては、しっかりした馬体だし落ち着いているね。もちろん、素質も十分ある」というジーナのフォームは跳びが大きくて、ゆったりしています。

 また、筋肉も締まった馬体をしていて、思わず「ホンマに牝馬?」と聞きそうになったほど立派でしたね。

栗毛のなでしこ、クラヴェジーナ

 先週の調教では、坂路でオーシャンビーナス(牝3)を相手に強めに追われ、52.3-14.2秒と好時計なうえに、4馬身半も先着しました。この走りに「大物って感じだよね」と東田さんも満足そう。

 水曜の追い切りは、同じく坂路でヌーベルバーグ(牝3)と併せを行い、55.2-13.5秒でやや遅れ。東田さんは「田んぼみたいな馬場だから、しかたないよ」と一言。

 さらに、「馬体重は470〜80kgほど。仕上がりも早いし、乗り味もいいんだよね。ゲートは、あまり早いほうじゃないけど、引っかかることもないから1800m戦がピッタリだよ」とのことでした。

 これまで、音無厩舎の名馬に跨ってきた東田さんの言葉だけに、期待が高まりますね〜。2週つづけて乗ったユーイチも「いい感触や!」と言っていましたから、こちらの「なでしこ」も初戦突破でしょうか。楽しみですね。

 土曜新潟の新馬戦(芝1600m)に出走予定のジャスタウェイ(牡2、父ハーツクライ×母シビル)も評判馬。ユーイチが「走る!」と評している馬のなかの1頭なんです。

 馬体はお父さん似て体高が高く、バランスがいい感じ。馬体重は現在490kgほどあります。

 榎本助手に聞いたところ「これまで、ゲート練習には時間をかけてきました。だって、スタートが肝心ですからね。もちろん、ゲート試験には一発で合格しましたよ。ちょっと、体質に弱いところを見せていますが、筋肉がしっかりしてくれば長い距離も走れそうです。センスもいいですしね。先々が楽しみですよ」とのことでした。

ジャスタウェイ

 先週の調教では栗東CWを単走で53.4-13.4秒。今週は坂路でアスカクリチャン(牡4)と併せで57.0-14.4秒でやや遅れ。馬場状態もありますし、レース直前なので調子を整える程度だったということでしょう。

 こちらも、ユーイチが騎乗します。今週の新馬戦は、ユーイチにいい馬が集まっていますね!

 土曜日は京都の新馬戦にも有力馬がデビュー予定。佐々木厩舎のジェノア(牝2、父ストラヴィンスキー×母ディスイズザライフ)は佐藤哲三騎手が、早くも「期待が高い」と絶賛しているとの話も聞こえてきています。近親に11年フラワーC1着、桜花賞3着のトレンドハンターがいるんですよ。

 6月28日に入厩してからの約1か月の間に、坂路で8本もの時計を出し、キッチリと仕上げられています。

 先週の13日には哲三騎手を背に、坂路でヴェアデイロス(牡2)と併せ馬。56.3-12.9秒で先着とタイムもいいですが、その素軽い動きが目を引きました。今週はゲートでの発馬訓練を兼ねてサッとやる程度。

 佐々木先生は「もう、佐藤騎手が跨ってのゲート練習は2回やっているんだ。ゲート練習って大事なんだよね。馬の癖をつかむことができるからさ。これで最終確認もできたよ。気性の勝っている馬なので、追い切らなくても大丈夫」とおっしゃいました。

 また、走ることに関しては「真面目すぎるぐらい」なんだそうです。

ジェノア

 担当の野口助手が言うには「まだ無呼吸で走っていてね。帰ってくるとブハァ〜! っと思い切り息を吐いていますよ」とのことで、かなり夢中になって走っているような感じですね。

「これで息が入るようになってくれば、距離も持つようになるので、楽しみも大きくなっていきそうです」(野口助手)

 たしかに、そうですよね。まずは、初戦をこなして、将来に備えてほしいところです。

 もう1頭気になるのは、日曜京都5R(芝1200m)に出走するアラディローザ(牝2、父サクラバクシンオー×母ライジングサンデー)。全兄にファルコンSの勝ち馬、エーシンホワイティがいます。

 直前の追い切りには酒井騎手が跨り、ドクターラオウ(牡5)と坂路で併せ。56.7-13.9秒と、ちょっと時計がかかった感じでしたが、これは馬場が悪かったことと、もう十分に上がっていることを考慮して無理をさせなかったからのようです。

 山本助手は「お兄さんに似て、スピードがあって完歩の大きなフットワークをしていますね。性格は前向きです。まだまだ甘えん坊でチャカチャカすることはあります。でも、跨ると素直で、物見もしないんですよ。真面目に走ってくれるので楽しみです」と笑顔で答えてくれました。

 今週は楽しみな新馬戦が多くて、ワクワクします。ここから、未来のクラシック候補目指しての戦いが始まります。

 みなさん、応援してあげてくださいね。

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1977年8月2日、大阪府生まれ。96年3月に中尾正厩舎所属でデビュー。同期に福永祐一、和田竜二らがいる。96年3月10日、タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビューからの約5か月で12勝をマーク。しかし同年8月、レース中に落馬事故を起こし意識不明に。その後、奇跡的な回復をみせて復帰。03年には中山GJでビッグテーストに騎乗しGIを制覇をする。 04年8月28日、小倉競馬場で行われた豊国JSで再び落馬。レース復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は、栗東トレセンを中心に、精力的な取材活動を行っているほか、えふえむ草津(785MHz)にて『常石勝義のお馬塾』(毎週土曜日9:45〜)に出演中。

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