スマートフォン版へ

小倉記念でタイトル奪取!

  • 2011年07月28日(木) 18時00分
 夏本番! というわけで、今週から小倉開催がはじまります。

 小倉競馬名物のレースはたくさんありますが、今週行われる小倉記念もそのひとつ。

 大本命のイタリアンレッドは、夏に調子を上げる、いわゆる夏女。それに、小倉との相性も抜群です。

 そのイメージから豪快な性格を想像しますが、実は素顔は繊細な5歳の女の子。担当の杉山厩務員が、いつも優しくブラッシングしてあげています。そうしないと、「プイ!」とすねちゃうんだそうです。可愛いですね〜。

 夏に強い理由を杉山さんは、「飼い葉をよく食べるんだよ。寝ながら牧草を食べていることもあるからね。食欲モリモリだから、暑くなっても体力が落ちないんだよ」と話してくれました。

 ところで、レッドは女の子の割にはキ甲が高くて、鞍が置きにくいんだそうです。でも、今回コンビを組む浜中騎手は騎乗スタイルが低いので、「鞍がピッタリはまると思う」とのこと。

イタリアンレッドは飼い葉をモリモリ

 さらに、「浜中騎手は、この馬の勝負どころを分かってくれているからね。小倉男だし、頼りにしているよ」と信頼を寄せています。

「父がネオユニヴァースだから潜在的スタミナがあって、さらにスピードと一瞬の切れが武器になる。七夕賞につづいて、重賞連勝を狙っていきたいね!」と最後に力強くおっしゃいました。

 たしかに、馬房で見るレッドからは馬体、気力ともに充実していることが伝わってきましたね。

 ハンデは前走より+3kgになるなど、なかなか厳しい条件ではありますが、重賞連覇を決め、サマー2000シリーズ初となる牝馬チャンピオンの座を射止めてほしいですね!

 昨年のサマーチャンピオン、ナリタクリスタルもタイトル連覇を狙って、ここに出走してきます。

 水曜の追い切りは、CWを単走で65.6-12.7秒とやや強め。その内容に跨ったユタカさんは、「力のあるところを見せてくれたね。レースでも、このぐらい走ってくれると楽しみ。まず、ゲートが開いたら馬の気持ちを大事にしてレースをしたい」と、話してくれました。

 木原先生は「追い切りでは動くんだよね〜」と、やや慎重なコメント。

「もちろん、昨年のチャンピオンなんだから、力はあるよ。ただ、競馬に行くとチョット気の悪さを出すんだな〜。父はスペシャルウィークで、母からも良質なスピードを受け継いでいる。しかも、夏負けしないんだよね。小倉は相性がいいから、走る気を出して力を発揮してほしいね」(木原師)

タイトル連覇なるか、ナリタクリスタル

 たしかに、やや気分屋なクリスタルですが、今のところ動きはいいですし、これは期待できそうに思うんですよね。ということは、先生の弱気(?)コメントは作戦か!?

 これは、本番での走りに注目ですね!

 そして、前走の七夕賞では、まさかの7着に泣いたコスモファントム。

 宮先生は「今回は休み明け2走目だから、ひと叩きしての上積みが見込める。(水曜の)追い切りタイムは、(終い)12.9秒と、前走とあまり変わらないけど、この馬なりに調子は上向いているよ。切れる脚はないけど、早めに前に動き、自分の競馬をしてくれたらチャンスはあると思う」とおっしゃいました。

 たしかに、背中のラインがキレイに出ていて、お尻もバーン!と張って立派でしたからね。状態は悪くなさそうです。

 そうそう、担当の後藤さんにうかがったんですが、ファントムの場合、疲れると目の回りが黒くなってくるんだとか。今のところは…うん、大丈夫。当日のパドックでも、確認してみたいと思います。

 さて、僕の気になる馬、アドマイヤメジャーはどうでしょう?

アドマイヤメジャー、七夕賞の借りを返せるか!?

 津田助手にお話を聞いてみると「落ち着いているし、状態に変化はないですよ。今回はレース感覚が詰まっているし、小倉への輸送があるので、たぶん(小倉に到着したら)飼い葉食いが悪くなると思うんです…、でもすぐに自分のペースに戻せる馬なんですよ。暑いとき調子がいいので、楽しみにしています」とのこと。

 馬体もしっかりしていましたし、前走のような末脚を見せてほしいですね。

 ところで、土曜日には小倉サマージャンプが行われます。こちらも、夏の小倉の名物レースですよね。

 このレースに、8歳馬のエムエスワールドが挑戦します。

 障害レース3走目にして、初J重賞ですが、湯窪先生は「飛びが上手いので、安心して見ていられる」とおっしゃいます。

 追い切りは、熊沢騎手を背に「速くなりすぎないよう、馬なり」でとの先生の指示に従って行われました。なかなか、いい動きでしたよ。

 湯窪厩舎から、これまた8歳馬のライブリシュロムも出走予定。これは、楽しみですね。

 また、「同じ釜の飯を食った仲」といつも話してくる、中竹先生&林騎手のコンビがタマモサプライズで出走予定。

 追い切りは、もちろん林騎手で行われました。追い切り後、林騎手は「馬場が悪かったので、最初は時計がかかったけど、その後はスムーズで息の入りも動きも良かったよ」と満足そう。

 小倉は小回りなコースなので、「お手馬」で出走するのはかなり有利。先生も「林騎手なら、上手く回ってきてくれますよ」とおっしゃいました。

 今週の小倉は見所満載ですね。そうそう、今年は小倉競馬場開設80周年ということで、さまざまなイベントが目白押し!

暑い日が続きますが、みんさんぜひ小倉競馬場にお出かけください。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1977年8月2日、大阪府生まれ。96年3月に中尾正厩舎所属でデビュー。同期に福永祐一、和田竜二らがいる。96年3月10日、タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビューからの約5か月で12勝をマーク。しかし同年8月、レース中に落馬事故を起こし意識不明に。その後、奇跡的な回復をみせて復帰。03年には中山GJでビッグテーストに騎乗しGIを制覇をする。 04年8月28日、小倉競馬場で行われた豊国JSで再び落馬。レース復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は、栗東トレセンを中心に、精力的な取材活動を行っているほか、えふえむ草津(785MHz)にて『常石勝義のお馬塾』(毎週土曜日9:45〜)に出演中。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング