この1600万条件でちょっと苦しいレースを続ける古馬が大半。4歳の上昇馬ランリョウオー(父リダウッチョイス)にとってかなり恵まれた組み合わせになった。
春に2連勝でこの1600万条件を勝っているから、形はオープンからの「降級」。ほかにこの形になる4歳馬はトゥニーポートがいるだけ。ランリョウオーはオープンからの移動というだけでなく、目下、充実一途の勢いに乗る強みもある。
再三、上がり33秒台(1000万快勝時は32秒9)を記録する切れ味が武器。そこで直線一気のレース運びが多かったが、格上がりで、なおかつ初の左回りになった前回、スローな流れもあったが、すっと好位のインにおさまる注文のつかないレースができた。
先行馬向きのスロー(前半1000m通過59秒4は、ひょっとすると今回も同じだろう)に乗ると、坂下でちょっと前がせまくなった馬群を割って一気に抜け出している。レースの後半が「10秒9-11秒3-12秒0」なので、ランリョウオーはペースアップして追い比べになった直線、2ハロン連続して「10秒台」の脚を使っている。
オーストラリア産のこの馬、キンシャサノキセキがそうだったように同じ4歳でも2007年の9月生まれ。トゥニーポートが春に満4歳になっているのと比較すると、約半年遅く生まれている。今年に入って3勝。上昇一途といえる。デインヒル系の父を持つ産駒は、日本ではそう多くの馬が活躍しないのに、活躍馬の多いオーストラリア、ヨーロッパで巨大な種牡馬群を築いたあたり、やや一本調子型(行っても差しても)が多いような気がするから、スローで上がり勝負になりがちな「新潟外回り」はほぼベストだろう。
前回、鮮やかなレースを見せた武豊騎手とのコンビも連続した。先週の土曜日など、せっかく新潟にきたのに乗り馬もほとんどいなかった武豊騎手だが、さすがに今週は顔見せにはとどまらないはずである。
やけに今週の動きが良かったサウスポーに近いトーホウカイザー本線。ステイゴールド産駒ながら、この馬、距離は長くないほうがいい。
先行できるミッキーチアフル、トゥニーポートが続く。差しのサクラネクスト、ミクロコスモスは、切るわけにはいかないがオッズと相談の押さえ。とくにミクロコスモスは、本来は格上馬だが、ほかのコースならともかく上がりの異常に速い新潟でのネオユニヴァース産駒はあまり強気になれない。