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4連勝で関屋記念制覇

  • 2011年08月04日(木) 18時00分
 夏競馬真っ盛り!
 そんな今週は、新潟の名物レース関屋記念が行われます。

 僕にとってこのレースは、03年にオースミコスモで勝つことができた、とっても思い入れ深い一戦。なので、気合いを入れて取材をしましたよ!

 まずは、3連勝で勢いに乗るエアラフォン。前走のストークSはトップハンデを背負いながらもクビ差差し切っての勝利。その後の様子を川合助手にうかがいました。

「レース後は、ノーザンファームしがらきへリフレッシュ放牧に出たんだよ。裂蹄の影響でレース間隔が空いたけど、今は体にボリューム感もあるし筋肉に柔軟性もある。いい感じに仕上がってきていると思うよ」

 では4連勝で重賞制覇ですね! と聞くと「もともと、期待されていた馬だからね。ようやく素質開花ってところだよ。終いの切れがいいんだよね〜」と川合さんは、にんまりと笑顔になりました。

 これは、期するところがあるようですね。

 追い切りにはユーイチが跨り、坂路で僚馬インバルコと併せを行いました。タイムは53.0-38.8-25.1-12.3秒とまずまず。

 この内容に川合さんは「いまひとつかと思ったけど、併せた馬が走りすぎたからね〜。ユーイチはいい感触だって満足そうだったよ」と余裕の表情。

 さらに、初の重賞挑戦に関しては「中間もしっかり乗り込まれているし、十分調整もしてきた。それにデュランダルの仔は夏に強いからね。期待しているよ」と答えてくれました。

 そんな強敵に、中一週の強行軍で立ち向かうのはマイネルクラリティです。しかし、疲れなどなさそうで、洗い場でシャワーを浴びている姿は充実期を迎えた5歳馬そのもの。

マイネルクラリティ

 石原助手が言うには「気難しいとこころがある」とのことでしたが、汗を流してもらい気持ちいいのか、厩務員さんに甘える仕草の可愛い馬です。

 でも、ご機嫌斜めのときはレース前のパドックであっても「ファンの前で大きく足踏みしたり」するんだそうですよ。これは、イラついて地団太を踏んでいるってこと?

 さて、前走の安土城Sは不利もあって5着でしたが、その後もいい状態がつづいているとのこと。

 レースに関して石原さんは「この馬は、一度でも跨ったが乗れば、落ち着くんだよ。我慢もできるんで、自分のペースで競馬ができれば期待できると思うよ。切れる脚はないけど、確実に伸びてくるからね。だから、前々でスムーズに持って行きたいな。マイルの流れは、この馬にピッタリなはずだからね」と楽しそうに話してくれました。

 昨年は7着だった関屋記念に再トライ!
 能力を発揮して、いい結果がでるといいですね。

 さて、このレースには、僕がズ〜っと追いかけているガンダーラも出走予定。初重賞挑戦なので、ワクワクしています。

ガンダーラ

 水曜の追い切りは、助手さんを背に単走で坂路をひと走りして52.5-12.7秒。なかなかいい仕上がりに見えました!

 先週は和田竜二騎手(いつもは、ワッ君と呼んでます)が跨って、併せCW64.9-11.7秒という好時計をマークしています。

 岩元先生も先週の内容には「調教でもよく動く馬だけどね。併せた馬に、あっさり先着してラスト11秒台っていうのは素晴らしい」と満足そうでした。

 和田騎手は、この馬のいいところは「トモが強くて柔らかいフットワークをしているので乗り味がいい」と言います。さらに、「僕と違って、真面目」なんだとか(笑)。

 和田騎手は、1度乗り替わりがあっただけで、あとはズ〜っとこの馬の手綱を取ってきました。今年は、そんな戦友コンビが大活躍していますから期待できそうですよね。

 ちなみに、運動のときは岩元先生自らがズ〜っと跨っています。その話をすると、先生は照れくさそうにしますが、馬とていねいに付き合っていく先生の姿はいつも素晴らしいと感じます。

 だから、僕も岩元先生とガンダーラをズ〜っと追いかけていきたいと思っています。

 さて、先に僕の関屋記念の思い出を書かせていただきましたが、そのオースミコスモの仔が3週間前、中尾秀正厩舎に入厩しました。

 馬名はオースミツバキ、490kgの大きな馬体をした女の子です。デビューは阪神あたりを予定しているそうで、今からその日が待ち遠しいです〜。

 中尾先生にうかがうと「お母さんより、お父さんのファルブラヴの雰囲気に似ているかな。ファルブラヴは牝馬でいい仔を出しているよね。この馬の性格? 素直で大人しいよ。スピードもあるから、コスモのように走ってほしいね」とおっしゃいました。

 そんな話をしていると、ひょっこり大先生こと中尾正先生が登場。

オースミツバキと中尾正&秀正先生

 オーツバキを差して、「ツネ、見てみい! この馬は前脚の脛が短いやろ? ここが短い馬は、前脚がスッと出やすいんで、よく走ることが多いんや」と教えてくれました。

 ちなみに、脛が長い馬は脚が上げやすいため、いい障害馬になる可能性が高いんだとか。さすが先生、勉強になりました。

 あっ、かなりの余談ですがツバキは新潟の県花なんです。お母さん同様、将来は関屋記念を勝ってくれたりすると嬉しいな〜。

 今年の関屋記念は関東馬に人気が集まっていますが、新潟の最後の直線は馬場のいいところは外ラチ沿いに広がるので、どの馬にもチャンスあり!

 そう考えると、馬券が難しくなりますね(^^;)。みなさんに、来週は「当たった!」という報告ができるように、週末は目一杯競馬を楽しみたいと思います。

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1977年8月2日、大阪府生まれ。96年3月に中尾正厩舎所属でデビュー。同期に福永祐一、和田竜二らがいる。96年3月10日、タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビューからの約5か月で12勝をマーク。しかし同年8月、レース中に落馬事故を起こし意識不明に。その後、奇跡的な回復をみせて復帰。03年には中山GJでビッグテーストに騎乗しGIを制覇をする。 04年8月28日、小倉競馬場で行われた豊国JSで再び落馬。レース復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は、栗東トレセンを中心に、精力的な取材活動を行っているほか、えふえむ草津(785MHz)にて『常石勝義のお馬塾』(毎週土曜日9:45〜)に出演中。

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