3日に大井で行われたサンタアニタトロフィーは、地方競馬では初めての国際交流レースとして注目された。唯一、アメリカから招待されたレッドアラートデイは最下位の15着と残念な結果だったが、ダートが初めてだったことや、さまざまな環境の変化などを考えると仕方ない結果のように思える。
ただ来日したオーナーや調教師は、日本側のホスピタリティにはかなり満足していた様子で、その点では安心した。大井競馬が友好提携しているサンタアニタ競馬場の関係者も来日していて、競馬場のファンの盛り上がりに関心を示し、この経験をアメリカに帰って生かしたいとも話していた。
今回、サンタアニタトロフィーが国際交流レースとして行われたのは、トゥインクルレース25周年イベントの一環で、大井のこの開催ではさまざまなイベントが行われた。
圧巻だったのは、サンタアニタトロフィー当日、レースの合間に行われた東京スカパラダイスオーケストラのライヴ。
通常、大井競馬場でのこうした音楽関係のイベントは、スタンド裏のイベント専用ステージで行われている。しかし今回のライヴに限っては、スタンド前の馬場との間のスペースで行われた。レースの合間という限られた時間だけに、たった3曲ではあったが、驚くほどの盛り上がりを見せた。
もちろん多くの人に知られるメジャーなアーティストだからというのもあっただろうが、演奏の音量の大きさも、その場を盛り上げた要因だろう。通常、競馬場でのライヴなどは馬への影響が考慮され、音量はかなり制限されたものとなる。日本の競馬場で、しかも開催中に、これほど本格的なライヴ演奏はおそらく初めてだったのではないだろうか。もちろん本馬場に馬が出てくるまでの限られた時間だが、やればできるんじゃん、というのが素直な感想だ。
そのほかでも、アメリカンスタイルのバーベキューや、かつてトゥインクルで好評だったビアガーデンなども復活。普段以上に予算をかけた部分もあったのだろうが、大井競馬のこの開催は、間違いなく競馬を知らない人が来ても十分に楽しめる空間となっていた。
そういえば90年代のトゥインクルレースがもっとも盛り上がった時期はこんな雰囲気だったよなあと懐かしく思い出したりもした。
たしかに当時は限られた専用場外を除けば競馬場に来るしか馬券を買う方法がなく、対照的に今ではネットや携帯でどこでも馬券が買えるようになるなど、時代は驚くほど変わっている。それゆえ競馬場に来場するファンの数が減るのも当然のこと。とはいえ、こうした競馬場の盛り上がりは絶対に必要だと、あらためて思い知らされたトゥインクルレース25周年の開催だった。
しかしただひとつ、個人的にきわめて残念に思ったことがある。アメリカンBBQガーデンのビーフステーキを食べつつも、取材ゆえにビールを我慢したことなのだが。