先週は北九州記念とクイーンSが行われました。主に目に付いた馬について回顧しておきます。
勝ったトウカイミステリーは正直拾えませんでした。馬体重プラス18キロでの出走でしたが、ほんのり余裕残し位で太くはありませんでした。前半3ハロンが32.4秒のハイペースだっただけに、展開がハマったところもあります。
この日は基本的に外を回すと駄目な競馬が続いていましたが、この日の途中から外差しが決まるようになっていたことも勝因のひとつでしょう。また、なんと言っても軽ハンデ。個人的に軽ハンデで荒れるという予感までしていたのに拾えなかったのは残念です。
今後ですが、今回は条件が向き過ぎたところもあるので過信は禁物ですが、状態の上積みはさらに見込めますし、次も条件が向けばという感じです。平坦、ハイペース見込みなら要注意です。
2着のエーシンリジルは思ったよりも体が増えていました。ただ、数字ほど太いところはありませんでしたし、いい状態だったと思います。阪神や中山が合いそうです。
3着のエーシンヴァーゴウはハンデに尽きるでしょう。馬体は明らかにこのメンバーでは最上位でした。もう少しパワーの要る芝ならさらにやれそうです。
4着のテイエムオオタカはキッチリと仕上がっていましたが、ちょっと展開がきつかったように思います。馬場ももう少し時計が掛かる方が合っているでしょう。
5着のヘッドライナーは展開が厳しい中、差してこれたのが収穫です。意外と思い切って控えれば面白いところはありそうです。今回はハンデも58キロと背負っていましたし、1200mなら安定して走れる馬です。
8着に敗れたスカイノダンは、状態こそなかなか良かったと思いますが、ゲートを出て少ししたところで寄られて位置取りが悪くなり過ぎたことが敗因でしょう。あの位置取りからこれる馬ではないので、仕方がないところはあります。
9着のタマモナイスプレイは、直飛節であまり切れがない分、前へ行くのが理想です。そういう意味では、テンに速い馬が揃った今回は、流れが忙し過ぎました。1400m〜1600mが理想です。
11着のスズカコーズウェイは一瞬エンジンが掛かったかなというところはあったのですが、直線で伸び切れませんでした。ただ、休養前よりもレース振りが良くなっていますし、次走辺り注意が必要になるでしょう。
続いて札幌記念。
勝ったアヴェンチュラは調教のフォームがあまり気に入りませんでしたが、パドックの周回を見るとキッチリできていたので、「しまった」と思いました。トモの容量が多く、すべてのパーツが長めで関節の稼動域も広い。いい意味での緩さがある馬ですし、小回りはあまり向かないタイプ。それで勝ち切ったところに価値があります。広いコースならG1の舞台が見えてきます。
2着のコスモネモシンは内からセコイ競馬をするタイプだけに、外からしっかりと伸びたのは収穫です。洋芝は合っているタイプ。完全に馬自体良くなっているので、次走移行も注意が必要です。
3着のアニメイトバイオはマイナス体重でしたが、それほど細い印象はありませんでした。もっと軽い馬場が理想。
4着のブロードストリートは少し細かったと思います。馬場ももっと軽い馬場がいいでしょう。
5着のショウリュウムーンは4角のさばきが悪かったのと、コメントでも滑ったとのこと。最後伸びているだけにもったいなかったレースです。ただ、もっと広いコースの方が良さそうなタイプです。
6着のレディアルバローザは調教やパドックを見てもまだ重かったと思います。叩いた次は要注意。
9着のダイワジャンヌは前走から馬体の良さが目立っています。近走一発あると思いますので、覚えておいてください。
さて、先週の重賞は馬体重の大幅な増減が目立ちました。これらの扱いですが、先に馬を見ることが大切です。
例えば、馬を見てまだ余裕がある場合に、馬体重を見ると減っていることがあります。こういう場合ですと、「前走が太すぎた」という解釈ができます。逆に仕上がっているのに大幅馬体重増といった場合、前走が細すぎたということが考えられます。
このように、馬体重はそれ単体で見るのではなく、「簡易版縦の比較」として使用するとより効果的だと思います。
これについては拙著『馬体革命』(競馬王新書)でも書きましたが、とにかく先入観なしに馬を見て、その後に裏付けとして使用する形が望ましいでしょう。
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