スマートフォン版へ

netkeiba

新潟記念

  • 2011年08月27日(土) 18時00分
 1990年、とても無理と思えた15頭の出走馬中ただ1頭の牝馬サファリオリーブ(江田照男騎手)が14番人気で抜け出した。1984年には、今年、人気のタッチミーノットを出走させる柴崎勇調教師が(騎手時代)、伏兵ダイナマインで快勝している。

 1995年、種牡馬ハーツクライの母アイリッシュダンスが独走し、1974年には前年のオークス馬ナスノチグサが勝った。翌1975年の勝ち馬は一転、49kgの無名馬ハセマサル(安田富男騎手)だった。

 最近こそ、2008年のアルコセニョーラ(武士沢騎手)が16番人気で快走し、05年にヤマニンアラバスタ(芦毛)が勝った程度にとどまるが、「夏の牝馬」を広く世に定着させたのは、この新潟記念で活躍した牝馬たちの活躍だろう。

 8月末に固定されて以降、ここまで、
☆ 牝馬…【15−11−10−70】.245
☆ 牡馬…【22−26−27−281】.135
牡馬の出走数は、牝馬のそれの3倍以上に達するが、連対率や、3着以内率で牡馬の2倍近い数字を残すのは「夏の牝馬」である。
今年、ともに父にキングカメハメハをもつ牝馬エオリアンハープ(53kg)と、プティプランセス(50kg)は、そろって新潟の外回りで3勝もしている。スローの流れでは、ともに上がり「32秒6」を記録したことがある。前半スローの公算がきわめて高い組み合わせだけに、2頭の牝馬を切る手はない。

 夏の牝馬に抵抗するのは、多くの場合、ベテランの人馬であることが珍しくない。

 今年、7歳牡馬が2頭出走する。
☆ オペラブラーボ…【1−0−1−0】
☆ サンライズベガ…【1−1−2−0】
ともに牝馬とは違ってそれほど切れるイメージはないが、このベテラン2頭、ともに新潟コースで馬券の対象から外れたことはない。

 ベテラン中舘英二騎手(46)の騎乗するオペラブラーボに期待したい。休み休みで7歳馬ながらキャリアは21戦【6−2−4−9】のみ。あまり切れる印象も、高速決着向きのイメージはないが、新潟コースでは2戦し、1800m(外回り)1分45秒0、2000m(外回り)1分57秒5の持ち時計は今回の組み合わせではともに「NO、1」である。隠れた、典型的な平坦巧者と考えたい。確かに牝馬2頭や、セイクリッドバレー、タッチミーノットほど切れるわけではないが、スローが分かったら、ただ流れてくれないなどといっていないで、自分たちからスパートすることができる。だから、上がりの速い新潟外回りでもそうそう見劣らないのである。スローはみえている。途中のふつうはまだ動く地点ではないところからの、オペラブラーボ(中舘騎手)の強気のスパートに期待したい。

 札幌の「キーンランドC」も創設5年、牝馬の方がずっと成績がいい。素直にカレンチャン、アンシェルブルー重視でもいいが、春に大きく期待したジョーカプチーノの底力を信じたい。望外の「56kg」で出走できることが判明して予定を早めて出走してきたきらいがなくもない(?)が、58kgのシルクロードSの勝ち方、その前走1分07秒3の快勝など、たとえ9分くらいのデキとしてもこの相手なら能力上位だろう。牝馬重視なら、連の穴にレジェトウショウを入れておきたい。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング