ジャパンCダートとジャパンCが終わって改めて、騎手のプレイ、騎手の存在を思うことしきりです。
当初、中山をどう乗りこなすか、トリッキーなコースに外国馬、外国人騎手が対応できるのか、その点を指摘する声はありました。
しかし、デットーリ、ナカタニ、両騎手のレース運びには、全くスキのない技を見ました。勝ったから言えるのではなく、小回りコースであっても、スムーズに馬を走らせることで勝機をつかむという、言ってみれば、当り前の騎乗をしてみせ、直線の気迫にみちたせり合いに持ち込んでいました。
コースロスを来たさない、そのための位置取り、これも見事でした。
ジャパンCダートは、ゴールドアリュールとアドマイヤドンが互いに意識し合った間げき、直線の内ギリギリをついたイーグルカフェのデットーリ。馬の力もさることながら、完全に一本取られたシーンでした。
ジャパンCは、ファルブラヴのデットーリも、その直後にいたサラファンのナカタニも、いずれも外回りコースの内ラチぞいの好位置を、終始走っていました。直線の短い中山の走らせ方としては、これ以上のものはありません。それに対し、スタートのよくなかったシンボリクリスエスのペリエは、向正面でなんとか好位にとりついたものの、後手を踏んだ影響が4角のコース取りにあらわれ、内にもぐり込む場面はなく、際どかったとはいえ、差し届かずに3着。その点、デットーリ、ナカタニは、殆んど紙一重の攻防を演じることができました。
ジャングルポケットの武豊は、ごちゃつきを嫌って最後方から直線一気の追い込みを考えたものの、内側が空くことは最後までなく、終始、外々を回されて争覇圏内に入ることなく敗れ去りました。中山だからこそ見られた騎手の攻防、デットーリ、ナカタニの騎乗に世界の技が見えた2日間でした。