阪神JFで2着、今春の桜花賞で2着、オークスで3着と、あと一歩のところで涙をのんできたホエールキャプチャが、今週のローズSから始動する。
阪神JFはレーヴディソールに0秒1差、桜花賞もマルセリーナに0秒1差。オークスにしてもエリンコートからクビ、ハナ差という惜敗だった。
この世代の一線級と常に戦いながら、大崩れが一度もなく、優勝争いを繰り返してきた馬だ。せめて秋華賞だけは勝たせてやりたい。
父のクロフネは9月15日現在、総合種牡馬ランキングの4位にいる。今夏は、ホエールキャプチャの一つ上の世代になるカレンチャンが、函館スプリントS、キーンランドCを連勝した。
現役時代のクロフネは「野武士」といった感じで、実にパワフルな走りを見せた。だから、種牡馬としては牡馬に大物が多い「オス血統」だろうと考えていたが、これが意外なことにまったく逆。
クロフネ産駒の中央の重賞勝ち馬(地方の交流重賞も含む)は、これまでに9頭出ているが、驚いたことに8頭までもが牝馬なのである。
牡馬は初年度産駒のフサイチリシャールだけ。この馬が東京スポーツ杯2歳Sを勝って産駒の重賞勝ち馬第1号となり、暮れの朝日杯FSも勝ったときは、こんな極端な偏りは予想だにしなかった。
ところが、その後はホワイトメロディー、スリープレスナイト、オディール、ユキチャン、ブラボーデイジー、マルモセーラ、ホエールキャプチャ、そしてカンレンチャンと8頭連続で牝馬が続いた。
近年、これほど重賞勝ち馬が牝馬に偏った種牡馬も珍しい。裏を返せば、クロフネ産駒は「牝馬こそが狙い目」ということになる。
今週のローズSは、その先の秋華賞、エリザベス女王杯を見据えた一戦。それだけに何が起きるかわからないが、メス血統の底力を信じて、ホエールキャプチャから買ってみようと思う。