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netkeiba

牝馬こそが狙い目のクロフネ産駒

  • 2011年09月16日(金) 12時00分
 阪神JFで2着、今春の桜花賞で2着、オークスで3着と、あと一歩のところで涙をのんできたホエールキャプチャが、今週のローズSから始動する。

 阪神JFはレーヴディソールに0秒1差、桜花賞もマルセリーナに0秒1差。オークスにしてもエリンコートからクビ、ハナ差という惜敗だった。

 この世代の一線級と常に戦いながら、大崩れが一度もなく、優勝争いを繰り返してきた馬だ。せめて秋華賞だけは勝たせてやりたい。

 父のクロフネは9月15日現在、総合種牡馬ランキングの4位にいる。今夏は、ホエールキャプチャの一つ上の世代になるカレンチャンが、函館スプリントS、キーンランドCを連勝した。

 現役時代のクロフネは「野武士」といった感じで、実にパワフルな走りを見せた。だから、種牡馬としては牡馬に大物が多い「オス血統」だろうと考えていたが、これが意外なことにまったく逆。

 クロフネ産駒の中央の重賞勝ち馬(地方の交流重賞も含む)は、これまでに9頭出ているが、驚いたことに8頭までもが牝馬なのである。

 牡馬は初年度産駒のフサイチリシャールだけ。この馬が東京スポーツ杯2歳Sを勝って産駒の重賞勝ち馬第1号となり、暮れの朝日杯FSも勝ったときは、こんな極端な偏りは予想だにしなかった。

 ところが、その後はホワイトメロディー、スリープレスナイト、オディール、ユキチャン、ブラボーデイジー、マルモセーラ、ホエールキャプチャ、そしてカンレンチャンと8頭連続で牝馬が続いた。

 近年、これほど重賞勝ち馬が牝馬に偏った種牡馬も珍しい。裏を返せば、クロフネ産駒は「牝馬こそが狙い目」ということになる。

 今週のローズSは、その先の秋華賞、エリザベス女王杯を見据えた一戦。それだけに何が起きるかわからないが、メス血統の底力を信じて、ホエールキャプチャから買ってみようと思う。

血統評論家。月刊誌、週刊誌の記者を経てフリーに。著書「競馬の血統学〜サラブレッドの進化と限界」で1998年JRA馬事文化賞を受賞。「最強の血統学」、「競馬の血統学2〜母のちから」、「サラブレッド血統事典」など著書多数。

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