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ステイゴールド産駒成功パターンが急増

  • 2011年09月23日(金) 12時00分
 ステイゴールドの2年目産駒になるドリームジャーニーが、朝日杯FSを勝って最優秀2歳牡馬に選ばれたのは、2006年のこと。

 これを見て翌2007年の種付シーズンは、母のオリエンタルアートに再びステイゴールドが付けられた。そして生まれたのが、今秋、ディープインパクト以来6年ぶりの三冠馬を目指すオルフェーヴルである。

 母のオリエンタルアートはメジロマックイーン産駒で、このドリームジャーニーが初仔だった。2年目以降は、順にダンスインザダーク、クロフネ、ネオユニヴァースを相手にしている。

 種牡馬入り当初のステイゴールドは、決して高い評価を得ていなかった。「初仔の腹つくり要員」としてステイゴールドを付け、2番仔以降に期待していたことが、この配合からもうかがえる。

 しかし、生まれた2番仔から4番仔は、そこそこの活躍はしたものの、重賞を狙えるような馬には育たなかった。ところが、再びステイゴールドを相手にした途端、今度はオルフェーヴルが誕生することになった。

 先週のセントライト記念を勝ったフェイトフルウォーは、オルフェーヴルと同じ世代だが、こちらも父ステイゴールド×母の父メジロマックイーンの配合で生まれている。ドリームジャーニーの活躍が、配合の大きなヒントになったことは確かだろう。

 四代母からは名ステイヤーが出ているが、曾祖母までに限定すれば、かなり貧弱な母系である。しいて取り上げても、特別戦を勝った母のフェートデュヴァンぐらいのもの。こういう母系を相手に重賞勝ち馬を出すのが、ステイゴールドのすごさだ。

 その前週、札幌のコスモス賞で強い勝ち方をしたゴールドシップも、これまた父ステイゴールド×母の父メジロマックイーンという配合で生まれている。柳の下のどじょう狙いで、次々と素質馬が生まれてくる。今後、この配合パターンが急増することだろう。

血統評論家。月刊誌、週刊誌の記者を経てフリーに。著書「競馬の血統学〜サラブレッドの進化と限界」で1998年JRA馬事文化賞を受賞。「最強の血統学」、「競馬の血統学2〜母のちから」、「サラブレッド血統事典」など著書多数。

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