今週火曜日、皇帝・シンボリルドルフの訃報が報じられました。スポーツ紙だけでなく、一般の新聞にもそのニュースが掲載されているのを見て、改めてそのすごさを感じました。
さて、そんな偉大な馬につづけ! と南部杯にはダート巧者が揃いました。
まずは、世界を股にかけて活躍するトランセンド。3月にドバイワールドCに出走して以来のレースをなります。
しかし、あのドバイでの走りはすごかったですよね。でも、安田先生は「2着は悔しかった。一瞬、勝った! と思ったんだよね。もう、あんな思いはしたくないよ」とおっしゃいました。
さて、トランセンドですがドバイ後は大山ヒルズで過ごし、7月3日に栗東に帰ってきました。戻ってきてしばらくは、「追い切り後、息があがっていた」そうですが、「8月末ごろから、よくなってきた」そうです。
「先週までポリトラックで十分な乗り込みをしました。そして、最後に坂路というのが、いつものトランセンドの調整方法なんです。これは、スピードを高めるためなんですよ。この方法が、この馬には一番合っているんです」(安田師)
というわけで、今週水曜は坂路で単走追いを行いました。タイムは50.1-11.8秒で先生の「終い1ハロンは11秒台で」という指示にピッタリ。先生は「もともと攻め馬からしっかり走る馬なので、速い時計が出ましたね」と満足そうに話してくれました。
僕は、この馬を09年のレパードSから追いかけていますが、素晴らしいスピードを武器に颯爽と逃げる姿は「砂のサイレンススズカ」だと感じます。その話を安田先生にすると、「そんな名馬に例えられるなんて嬉しいなぁ。でも、たしかにイメージが似ているよね」とのことでした。
トランセンドはこのレースの後、JBCからジャパンCダートを予定しています。ですから、ここは落とせない一戦ですよね。
安田厩舎は先週、スプリンターズSをカレンチャンで制したばかりで勢いがありますから、今週も何かやってくれそう予感がします。
ところで、カレンチャンですが、あれほどのレースをしたにも関わらず、検量室前に戻ってきたとき、すでに息が入っていたんだそうです。なんだか、まだ底を見せていなさそうで、いったいどこまで強くなるのやら…。
次走はオーナーと相談中だそうですが、香港も視野にいれて調整しているとのことでした。
また、11着だったダッシャーゴーゴーですが、「勝負どころで引いてしまい、ほとんど競馬をしていな状態です。ですから疲れもありません。次はJBCスプリントを予定しています」(安田翔助手)とのこと。
今年のJBCは大井競馬場での開催。ゴーゴーは掻き込み方が上手な走り方をするので、地方の馬場も合いそうですよね。こちらも楽しみです。
さて、話しを南部杯に戻して…トランセンドの強力なライバルといえば、この馬をおいてほかにいないでしょう。エスポワールシチーです。
前走の帝王賞を2着、前々走のかしわ記念を3着と惜しい競馬がつづいているだけに、「ここ近走は、いい競馬ができなくて馬が不完全燃焼な状態です」とは森崎助手談。
夏を休養にあて、8月27日にリフレッシュ放牧から帰厩。そこから坂路で乗り込みを開始し、徐々にペースを上げながら馬を作り込んできました。
「体重は以前とあまり変わりませんが、精神面がしっかりしてきたと思う。だから、併せ馬で引っかからなくなり、余分な力を使わなくてすむようになったんです」(森崎助手)
成長もあり、馬自身は好調ですが、ここでアクシデントが! そう、先週のスプリンターズSで佐藤騎手が落馬負傷し、急遽相棒が変更になったんです。
今回の鞍上は松岡正海騎手。09年のマーチSでもこの馬に跨り、勝利に導いています。これは、心強いですよね。ここでガッチリ勝利して、佐藤騎手を喜ばせてあげてください!
もう1頭、僕が注目しているのはボレアスです。パワーがあってマイル適性も十分、しかも鞍上はユタカさん!
それに、走り方も上手なんですよ。これはきっと、お父さんのディープインパクトから受け継いだものなんでしょうね。
高島助手は「古馬を相手に3歳馬がどこまでやれるか。全力でチャレンジします」と元気よくコメントしてくれました。
まだこれから成長しそうな馬ですから、ここでどんな走りをしてくれるか楽しみです。
ところで、東京ダート1600mコースは、最初の100mほどが芝になっているのが特徴ですよね。それに、スピードとパワーがあることが必須条件となります。
そう考えると、今年の出走馬はみんなチャンスあり!?
う〜ん、迷っちゃいますね。
そうそう、10月10日は南部杯のほかに復興支援の「絆カップ」が開催されますので、みなさん競馬場にぜひお越しください!