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究極のしぶとさを見た

  • 2011年10月11日(火) 18時00分
 南部杯はトランセンドが勝ちました。パドックでは休み明けながらもマズマズ仕上がっていて、トモの厚みが増し更にパワーアップしていました。脚や胴が長い体型で、以前は薄く映りましたが、今はしっかりと筋肉が付いてドッシリとしてきました。レースではスタートからの行きっぷりが悪く、押して押しての2番手追走。直線では一旦エスポワールシチーに突き放され、後続にも交わされますが、そこから究極のしぶとさを見せて巻き返し、勝ってしまいました。なかなかお目に掛かれない競馬だったと思います。この馬の良いところはこのしぶとさ。ワイルドラッシュ産駒にありがちなのですが、ワンペースでギアが無く、速い脚は使えません。しかし、ワンペースでどこまでもしぶとく走り続けられます。もうこれで完全に勝ちパターンができていますし、国内でこの馬を負かすのはかなり難しいと思います。

 2着のダノンカモンはスッキリと仕上がっていて、良いデキだったと思います。脚長のシンボリクリスエス産駒だけに、マイルの距離もベストだと思います。これでG1にも目処が立ちましたし、来年のフェブラリーS辺り勝ち負けできる存在になったと言えるでしょう。

 3着のシルクフォーチュンは細身ながらも付くべき所には必要最低限の筋肉が付いていて、しなやかさを感じさせました。前日の雨が多少残っていた軽い馬場も味方したと思います。ただ、距離は1400mくらいまでがベストだと思います。

 4着のエスポワールシチーは無駄のないスッキリとした仕上がりでしたが、見せ場こそ作ったものの最後は力尽きて4着。ただ、これで目処は立ったと言えるでしょう。そろそろ復権を期待したいところです

 5着のダイショウジェットは、右後肢の蹄に裂蹄防止テープを巻いていましたが、馬体はマズマズ仕上がっていました。返し馬もいつも通り元気満点。東京のマイル戦や他の場でも1400mくらいまでならまだまだやれます。

 6着に敗れたランフォルセはパドックでのテンションが高く、精神面での弱さを出していました。また、筋肉ももっと締まってきて欲しいところ。現状はコーナーの多い競馬場の器用さを武器にできる場面で買いたいところです。

 7着のバーディバーディは転厩してから造りが変わっている感じですね。以前の素軽さが無いです。余分な脂肪が抜けてくれば。

 さて、期待したボレアスですが、11着に敗れてしまいました。4角までは良い手応えできていただけに、何もできずにさがっていった時はショックでした。馬体はこのクラスに入っても見劣らないものでしたし、これが良い経験になって、いずれは通用するようになるでしょう。

 個人的にはトランセンドの頭は堅く、相手もボレアスで結構自信があったので、馬単や3連単でガツンと勝負して敗れました。この失敗を生かして、今週の秋華賞は良い馬券を獲りたいですね。相性の良いレースだけに頑張ります。

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中央競馬で全レースのパドック・返し馬を徹底観察。繋(つなぎ)や蹄、体型、骨量、筋肉の量・質、関節の柔軟性や、脚元、馬具などのデータを採取。そこから競走馬の能力、適性などに加え脚質も見抜き、馬券を組み立てる。パドック派にありがちな本命予想ではなく、複勝で10倍を超えるような穴馬を見つけるのが得意。

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