今週は牝馬三冠レース最終戦、秋華賞が行われます!
強者揃いですが、中でも気になるのは最後の一冠かけるホエールキャプチャの存在でしょう。田中先生曰く、秋緒戦となった前走ローズS後、さらに力強くなってボリュームが出てきたうえに、精神的な成長も大きいそうですよ。
水曜の追い切りは坂路単走で51.4-12.0秒の好時計。これには、田中先生も納得の表情を見せていました。
跨った池添騎手は調教後「時計は少し速かったですかね。でも、肩の入りがよくなっていて、今までで一番いい状態だと感じました」とコメント。
また、前走のローズSを「GI馬2頭をかわしての勝利は大きかったですね」と振り返り、今回の秋華賞に関しては「オールマイティな馬ですし、タフになっています。もともと完成度の高い馬なので、このままのリズムで本番を迎えてほしいです」と力強く語りました。
さて、追い切りを終えたホエールキャプチャに会いに厩舎へ行くと、すっかりリラックスして飼い葉をモリモリ平らげ中。その姿を担当の蛯名厩務員が目を細めて見ていました。
蛯名さんは、この道40年以上の大ベテラン。70年の桜花賞など重賞5勝したタマミを担当していたこともあるんですよ。
タマミはオーナーの3人のお嬢さんたちの頭文字を取って名付けられたんだそうです。当時は「美少女」と人気を博していましたが、その素顔はなかなかお転婆で、小さな馬体でありながら「この馬は肉食なのでは?」と思うこともあるぐらいだったとか。やはり、走る馬って今も昔も気性が勝っているものなんですね。
そのタマミ、クラシック路線での秋緒戦は惨敗でした。しかし、ホエールキャプチャはローズSを快勝して乗りに乗っていますから、蛯名さんとしては「今度こそ!」と気合いが入ることでしょう。
それに、蛯名さんは今年で定年を迎えるため、この秋華賞がGI獲り最後のチャンスなんです。
「馬ひとすじの、いい人生が送れたよ。いい馬に出会えて幸せだね。あとは、ただ一生懸命やるだけだよ」と蛯名さんは愛馬の走りに期待を込めて語りました。
ぜひ、いい走りを見せてほしいですね。
しかし、ライバルは手強いですよ〜。その一番手は、アヴェンチュラ。春のクラシック戦線には、骨折で参戦できなかったこともあり、陣営は雪辱に燃えています。
夏のクイーンSでは、古馬を相手にした激しい叩き合いを経験。これを制して、能力の高さを見せつけました。
クイーンS後は、ノーザンファームへ放牧。そこで、しっかり乗り込まれ、馬体はガッチリと頼もしくなっています。そのため、馬体重も増えているんですよ。
角居先生はこの馬のいいところは「ストライドが大きくて背中が柔らかいのでバネがある」とおっしゃいます。
たしかに、洗い場で見たアヴェンチュラを見ると、スラッと延びた柔らかそうな背中をしていました。それに、毛づやもピッカピカで、筋肉が浮き上がった素晴らしい馬体。角居先生も「トモに力があって、キュッと締まっている」と評していました。
そんな話をしている間、担当の前川助手が、ゆったりとアヴェンチュラの汗を流していたんですが、その雰囲気がスゴくいいんですよ。人馬の信頼関係が、しっかり築かれているんだな〜と感じました。
「上手くタメる競馬ができれば」と角居先生はチャンスを狙っています。僕も「遅れてきた大物」が秋華賞でどんな活躍をみせてくれるか楽しみです。
そして、二冠目を狙っているマルセリーナも見逃せない1頭。
松田博先生は「余分な脂肪はなく、トモが高くなってスッキリしたキレイな馬体になった。でも、うちの馬が成長したのと同様に、他厩舎の馬も成長しているわけだからね」と一言。こんなときは、闘志を秘めているときなんですよね〜、いや僕のカンですけど。
これは、当日の走りから目が離せません!
さて、恒例(?)のツネちゃんの気になる1頭ですが、今回はマイネイサベルです!
前走にローズSでは2着でしたが、メンバー中最速の上がりを見せ、大外からグイグイと先頭との差を縮めていきました。これに、ホレ混んじゃったんですよね〜。
輸送に弱いそうで、このレース後は栗東入りして調教を続けてきたイサベルちゃん。「お嬢様」って感じの可愛い顔をしてるんですよ〜。
少々神経細やかなところがあり、一時期はまったく飼い葉を食べなくなってしまったとか。そこで、担当の大原さんは飼い葉にキャベツを混ぜることを考えつきました。キャベツは繊維質が多くて消化もいいからです。
この大原さんの機転のおかげで、今は食欲も戻り、毎日モリモリ飼い葉を食べています。
馬体の方も夏を越してから成長をしているそうで、「前脚が長くなり、全体のバランスがよくなってきた」と大原さん。
レースに関しては「右回りも苦にしないので、メンバー中最速の上がりを武器に(勝利を)狙っていきたいですね」とコメント。
あの素晴らしい末脚を、今回も発揮してもらいたいですね。