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ファンタジーは死角なし!?

  • 2011年11月03日(木) 18時00分
 今週は東西で3つの重賞が行われますが、そのなかでボクが注目しているのはファンタジーS。なんたってこのレース、過去の優勝馬にスイープトウショウやラインクラフト、オディールなどがいる出世レースですからね!

 今年の一番人気は、2連勝中で重賞も制覇しているファインチョイスでしょう。函館2歳Sでは、ステッキを入れることもなく快勝しました。

 そのときのことを岩田騎手は「好位から鋭く抜け出す脚は、ほかの馬にはちょっとないものだった」と振り返ります。

 今週の追い切りには、先週に引き続き岩田騎手自らが騎乗。CWで単走だったにもかかわらず、85.0-11.9秒と豪快な走りを見せました。

岩田騎手

 この内容に岩田騎手も「いい動きだった」と自信をもって好調をアピール。さらに「よそ見をせずにしっかり走ってくれたよ。追ってからはグッと沈み込む、いいフットワークを見せるんだよね〜。馬体重は(前走より)20キロほど増えたようだし、成長を感じるよ」とご機嫌でコメントしてくれました。

 いつも調教で跨っている大久保助手も、「(同世代の中で)一歩抜けている存在だと思うよ。現時点では不安材料は見あたらない」と強気の一言。

 しかし、距離延長なども問題もありますが…とあえてたずねると「う〜ん、あえて不安って言うなら…函館と京都の芝の違いぐらいかな」と、かなり強引にひねり出してくれました。

「北海道の馬場は、ヨーロッパのように芝丈が長くて力が必要なんだ。でも、今の京都は軽い芝でしょ。そうなると、今度はスピードが必要になってくる。そのスピードも、この馬は持っているんだよね〜」(大久保助手)

 どうやっても、弱点は見あたらないようです。これは、すごい!

 領家先生も、「この馬はものが違うよ。レースセンスがよくて、どんな形でも競馬ができる。飼い葉もよく食べるからパワーアップしているよ。追い切った後も落ち着いているし、息の入れもいい。いい状態でレースができそうです」と話してくださいました。

 さて、追い切り後はいつも通り、担当の藤井厩務員にシャワーをしてもらったチョイス。その藤井さんに甘える仕草が可愛いんですよ。でも、体はこの時期の2歳馬としては立派。必要なところにしっかりと筋肉がつき、全体のバランスがとれています。

「いい馬体ですね」と藤井さんに声をかけると、「夏は華奢だったんだけどね〜。でも、飼い葉をよく食べるかた、今は背も伸びていい体つきになったよ」と目を細めて答えてくれました。

 陣営の様子を見ていると、対戦万全ということが感じ取れます。ここで重賞を連勝し、暮れの阪神JFへまっしぐら! と行きたいところですね。

 さて、重賞勝ちこそないものの、同じく2連勝中のレディーメグネイト。

 3連勝を狙っての今回、キョウワジャンヌを相手に坂路で併せを行いました。タイムは、52.3-38.8-26.1-13.6秒で、秋華賞2着馬に半馬身ほど先着。これを見た、飯田騎手は「まあ、調教でレディーメグネイトに勝てる馬は、うちの厩舎にはいないよ。時計はちょうどよかったね」と笑顔。

 初勝利ひつづく前走のりんどう賞は見事な逃げ切りがち。その走りを飯田騎手は「切れる感じはないけど、牝馬にしては大型なのでパワーと勢いで押しまくる」タイプと言います。

レディーメグネイト

 また、今回のレースでは「スタートの一歩目は、あまり速くないんだよね。でも、攻め駆けする馬だし、馬込みも怖がらない娘」としつつも、やはり「できれば前で競馬をしたい」とのことでした。

 今週から京都はBコースになりますし、先行馬に有利になりそうですから楽しみですね。

 ところで、好メンバーが揃ったなかで、僕が気になっているのはゴールデンムーン。

 前走のりんどう賞では、2着ではありましたがスタートからいい感じに中団につくと、3コーナーあたりから徐々に前に進出。直線に入ると、外から豪快にライバルたちを抜き去って行きました。あの脚は、なかなか期待できますよ〜。

 須貝先生は「1走ごとに力をつけてきましたね。前走は逃げ切られてしまいましたが、ゴールデンムーンはメンバー最速の上がりでした。今回は京都外回りで直線が長くなりますから、楽しみにしています」と語ってくれました。

 この馬にデビューから跨り、すっかり手の内の入れた感のあるユタカさん。「ここで、どう戦えたかで先のレースが見えてくる。この馬のパワーが見たいね」と勝利に向かって虎視眈々といった感じでした。

 あの鋭い脚で、ライバルたちをゴボウ抜き! なんてシーンが見られるかも!?

 のレース、年末のGI前哨戦ですから、どの馬がどんな走りを見せてくれるか。期待が高まりますよね。

 ところで走るといえば、僕も10月30日にあった大阪マラソンを走りきりました。僕にとって、42.195キロは人間天皇賞というか…とにかく長かったです。調教が足りなかったんでしょうか(^□^;)。完走まで時間がかかりましたが、それでもラストは追い込みましたよ〜。秋風を感じながらのマラソンは楽しかったです。マラソン、オススメですよ。

 船橋競馬場では、コースを使ったマラソン大会をしているようですし、ぜひみなさんも一度挑戦してみてください!

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1977年8月2日、大阪府生まれ。96年3月に中尾正厩舎所属でデビュー。同期に福永祐一、和田竜二らがいる。96年3月10日、タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビューからの約5か月で12勝をマーク。しかし同年8月、レース中に落馬事故を起こし意識不明に。その後、奇跡的な回復をみせて復帰。03年には中山GJでビッグテーストに騎乗しGIを制覇をする。 04年8月28日、小倉競馬場で行われた豊国JSで再び落馬。レース復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は、栗東トレセンを中心に、精力的な取材活動を行っているほか、えふえむ草津(785MHz)にて『常石勝義のお馬塾』(毎週土曜日9:45〜)に出演中。

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