スマートフォン版へ

岩田騎手が自信の一言!?

  • 2011年11月10日(木) 18時00分
 今年のエリザベス女王は、豪華な顔ぶれが集い女王決定戦らしく華やかですね。

 まずは、約8か月ぶりにターフに帰ってくるレーヴディソール。

 無敗で桜花賞へ向かう途中に、右前脚トウ骨遠位端部分の骨折が判明。全治6か月の診断をうけ、春は全休となりました。

 放牧先のノーザンファームから帰厩したのは10月5日のこと。そのときの印象を福永騎手は「体高が高くなって、立派な体になって帰ってきました。それから、プールなども使って馬体を絞り込んできましたし、しっかり調整されています。自分で体を作っていく馬なので、余分な脂肪がなくなってきましたよ」と話します。

 また、CWで行われた最終追いの感触は「道中はゆったり、終い重点でしたが、すんなり上がってきましたね。息遣いも悪くないし、スムーズな競馬はできそうです」と久々の本番にも不安はない様子。

 とはいえ、骨折明けのぶっつけ本番。しかも、初古馬戦、初距離と問題はたくさんあります。

 が、福永騎手は「エンジンが違う」から、と周囲の心配を一笑にふしました。さらに、「レースでは乗りやすいし、行きっぷりもいい。最強の牝馬だと思っているから、馬のリズムを崩さないように乗りたいですね」とどこまでも前向き。

 ここまで4戦4勝の天才少女が、お姉さまたちを相手にどんな走りをするのか注目です。

 三冠牝馬のアパパネは、すでに栗東の常連。稽古でコースに出る様子も、慣れたものです。

 最終追い切りはCWで池江厩舎のマナクーラを追走する形で行われ、道中リズム良く走ると終いは良く伸びて先着。タイムは80.8-11.6秒と絶好の動きを見せました。

 この好時計に国枝先生は「池江さんのところは、馬がよく走るから」と言いながらも満足そう。

「先週の日曜日も追い切り、より力を付けました。休み明けは走らないタイプですが、前走はまだ馬体が絞り切れていませんでしたし、精神面も頼りなかった。でも、2戦目の今回は期待しています。巻き返したいですね」(国枝師)

 精神面も切り替えられたようで、やる気十分のアパパネ。史上初の牝馬GI全制覇に向けてただいま好調です。

 しかし、先日の秋華賞を制したばかりのアヴェンチュラも好調キープ中。GI制覇を角居先生は「道中しっかり足をためて、直線早めに向け出すと力強く押し切りました。理想的な勝ち方でしたよ。素晴らしかった」と目を細めました。

 さて、2つめのGIを目指す今回の追い切りは、CWでグルヴェイグ、エアウルフとの併せ馬。85.8-11.8秒と気合いの入ったものでした。

 それにしても、迫力ある走りだったので角居先生にそう話すと「骨格がガッチリしていて大跳びなので、トモの筋力が(他の馬と)違うんだと思います」とのこと。

 レースに関しては、前走の疲れも残っていないし、乗り込みも順調でしたから、あとはこの馬を一番分かっている騎手にお任せです」とおっしゃいました。

 角居先生からバトンを渡された岩田騎手は、レースでは「広いコースだし、余裕を持って跨りたいですね」と豊富を語り、「この馬は、背中が柔らかくて、いい感触なんですよ〜。それに、大跳びになるとき、ふわっと沈みこんで伸びていくんです。馬体が1.5倍にグネッと伸びたように感じるんですよ〜」とその走りの良さをベタ誉め。

 たしかに、乗っていて気持ちよさそうですな馬ですもんね。休養明けからは、3連勝でGI制覇ですから、確実に力を付けてきています。

岩田騎手は自信のコメント

 岩田さんも、強敵は多いけど「ボクの馬が最強!」って言ってましたよ〜。

 その最強娘に会いに厩舎にいくと、馬房の隅っこで壁にべったりくっついていました。どうも、これがアヴェンチュラなりのリラックスタイムのようです。…ちょと変わっているなか?

 いや、ひょっとしたら、作戦を練っているのかも!? 連勝の勢いをそのままにGIも2勝しちゃうかもしれないですね。

 さて、蒼々たる顔ぶれを紹介してきましたが、今回の出走馬のなかでボクが注目しているのはフミノイマジーン。

 最終追い切りは太宰騎手が跨ったんですが、CW併せで80.1-12.8秒とまずまずのタイム。動きには活気があり、よかったですね。

 太宰啓介騎手は「不安材料はないですよ。この馬は重賞2勝していますからね。このチャンスを活かさなくちゃもったいないですよ!」と強気のコメント。

 これは、新婚だから…ではなく、ただいまフミノイマジーンがとっても好調なんだそうです。

元気一杯のフミノイマージン

 また、「確実に成長していますし、馬体にボリュームが出てトモに力が付いてきました。ですから、中団から追われて切れる脚を使えるようになったんです」とここ2戦の好走ぶりの理由を教えてくれました。

 たしかに、厩舎で見るイマージンの馬体は、無駄な脂肪もなくガッチリ、ドッシリして以前よりずっと立派になっていましたね。しかも、気持ちも入ってきているようで、うっかりしていると噛みつかれそうになったりも(いや、遊んでいるだとは思うんですが、とにかく元気で勢いがいいんですよ)。

 この活気ある感じなら、いい走りをしてくれそう。もともとスタートが上手で、折り合いも大丈夫な馬ですから、啓チャンへ結婚祝いをプレゼントしてくれそうです。

 どの馬が勝ってもおかしくない今年のエリザベス女王杯。週末が待ち遠しいですね。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1977年8月2日、大阪府生まれ。96年3月に中尾正厩舎所属でデビュー。同期に福永祐一、和田竜二らがいる。96年3月10日、タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビューからの約5か月で12勝をマーク。しかし同年8月、レース中に落馬事故を起こし意識不明に。その後、奇跡的な回復をみせて復帰。03年には中山GJでビッグテーストに騎乗しGIを制覇をする。 04年8月28日、小倉競馬場で行われた豊国JSで再び落馬。レース復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は、栗東トレセンを中心に、精力的な取材活動を行っているほか、えふえむ草津(785MHz)にて『常石勝義のお馬塾』(毎週土曜日9:45〜)に出演中。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング