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池添J「僕の好きな馬」宣言!?

  • 2011年11月24日(木) 18時00分
 今年のジャパンCは、すごいメンバーが揃いました!なんたって、凱旋門賞馬が参戦するんですから。それを迎え撃つ日本勢も素晴らしいですよね。

 まずは、ドバイワールドCを制し、世界の頂点に立ったヴィクトワールピサ。約8か月ぶりのレースとなりますが、「闘争心のある馬だから大丈夫」と角居先生からは心配している様子は見られませんでした。

 また、「世界一決定戦と言っても過言ではないメンバーですよね。そのなかで勝負できるのは嬉しいです。ですから、こちらもベストの状態で臨まないと」という先生の言葉を受けて、昨日の最終追い切りはミルコ・デムーロ騎手を背にCWでの3頭併せ。

 鞍上に仕掛けられると鋭い反応を見せ、2馬身ほど開いていた間隔をグイグイ詰めていきました。これは、なかなか圧巻の動き。ブランクを感じさせないものでした。

デムーロ騎手も絶賛!

 デムーロ騎手も「負荷をかけられても十分な反応をしたし、気迫も素晴らしかった!」と満足そうでしたよ。

 さらに、「レースの上手く、勝ちたいという気力がある馬です。いいポジションを取ったときは、より闘争心が強くなるんです。ですから大事にのりたいです」とデムーロ騎手は話してくれました。

 震災に沈む日本に勇気を届けてくれたピサが、再び世界の頂点に立つのが見たいですね! 

 しかし、油断はできません。だって、昨年の覇者、ローズキングダムも参戦しますから!

 橋口厩舎へ行くと、ちょうど担当の池平さんが、キングダムを運動に出すための支度をしていました。

 で、池平さんが「さっ、行こうか!」と声をかけ、赤木助手(あっ、元騎手の赤木さんですよ)が跨ると、トコトコと歩き出したんですよ。その口を池平さんが取って曳きます。その姿が、可愛い〜。

 でも歩様は力強くスムーズ。また馬体も皮膚が薄くて冬毛も伸びておらず、キレイな立ち姿をしていました。

賢こ可愛い、ローズキングダム

 山手助手は「追い切りにはメンディザバル騎手が乗りました。反応はよかったし、調子いいですよ。メンディザバル騎手は本番へのイメージができたようです」と話してくれました。

 う〜ん、これは連覇の期待ができそうですね。楽しみです。

 ダービー馬・エイシンフラッシュも凱旋門賞馬を向こうに回し戦う気十分。追い切りには新パートナーの池添騎手が跨り、CWコースへ。直線で鞍上が気合いを入れると、圧倒的な瞬発力を見せ、併せたピサライコネンを一気に4馬身突き放しました。

 藤原先生はこの内容を見て、まず「ラスト11.2秒だよ。何にも言うことないね!」と一言。

 さらに「前走は力負けしたわけじゃない。レース後の疲れもすぐ取れたし、一度使ったことで、いいガス抜きができたよ。ここまで順調にきている。それは、馬の脚元、目、馬体の張り、表情を見てくれれば分かるでしょう?」と自信のコメントをくれました。

 池添騎手もいい感触をつかんだようで、「あの切れ味はすごかったね。僕の好きなタイプの馬だなって感じました。指示への反応がよく、乗りやすいですね」と満足そうな笑顔を見せていましたよ。

 池添騎手という絶好調のパートナーを迎えたフラッシュ。得意の東京で強い外国勢を相手に、一発かましてくれそうでワクワクしますね!

 絶好調といえば、池江厩舎もですよね。今回の3頭出しで臨みます。

 僕がずっと追いかけているトーセンジョーダンが天皇賞・秋を勝ったときは嬉しかったな〜。

 強い勝ち方でしたが、あの後もなんのダメージもなかったとのこと。それでも、大事をとってゆったりと調整をしてきたそうです。

 追い切りは、やはりジャパンCに参戦するトゥザグローリーとの併せ馬。グローリーも前走の天皇賞・秋で5着し調子はいいんですよね。

 この実力馬同士の併せ馬は、トーセンジョーダンが少し先行する形で行われ、CWコース直線に入ると馬体を合わせ、最後はトゥザグローリーがやや先着してフィニッシュ。

タフさはさすが、トーセンジョーダン

 池江先生は「(トーセンジョーダンは)少し遅れを取ったけど、動きはよくなっていました。まあ、使ってよくなるタイプだし、パワー型だから力は出せますよ。腕っ節の強いウイリアム騎手が乗りますからね。相性抜群でしょう。これから作戦をねります」と話してくれました。

 トゥザグローリーの状態がいいことも分かりましたし、もう1頭のトレイルブレイザーも前走アルゼンチン共和国杯を制したばかり。どの馬も甲乙付けがたい好調ぶりでした。

 もちろん、ブエナビスタもよかったですよ。馬体重は変わっていないんだそうですが、僕が見たところでは全体にボリュームが出てきたように見えましたね。貫禄ありました。

 それに、走りも四肢を一杯に使った、伸びやかなフォーム。クビの動きもリズミカルでよかったですね〜。全身の柔らかさを感じました。

 昨年の雪辱を果たすためにも、頑張ってほしいですよね。

 それにしても、今年は歴史に残る名レースが展開されそうです。レース中は、きっと瞬きするのも惜しくなりますよ。

 頑張れ日本馬!

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1977年8月2日、大阪府生まれ。96年3月に中尾正厩舎所属でデビュー。同期に福永祐一、和田竜二らがいる。96年3月10日、タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビューからの約5か月で12勝をマーク。しかし同年8月、レース中に落馬事故を起こし意識不明に。その後、奇跡的な回復をみせて復帰。03年には中山GJでビッグテーストに騎乗しGIを制覇をする。 04年8月28日、小倉競馬場で行われた豊国JSで再び落馬。レース復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は、栗東トレセンを中心に、精力的な取材活動を行っているほか、えふえむ草津(785MHz)にて『常石勝義のお馬塾』(毎週土曜日9:45〜)に出演中。

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