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マコトリヴァーサル、朝日杯で逆転狙う!?

  • 2011年12月15日(木) 18時00分
 今週末、中山競馬場で行われる2歳王者決定戦・朝日杯フューチュリティS。来年のクラシックにつながる一戦ということで、当然ながらどの陣営も力が入っています。

 個人的にも、今年は新種牡馬の産駒が活躍していることもあって、楽しみなレースなんですよね。

 まずは、ダイワメジャー産駒のダローネガ。9月の野路菊Sで2勝目を挙げ順調に成長をしています。

 前走のデイリー杯2歳Sは惜しくも2着でしたが、佐々木先生は「力負けしたわけじゃないよ。坂下から根性を見せてくれたし、自分の走りができたと思う。また、仕上がっていたのでテンションが高くなってしまったけど、どこからでもレースができると分かったのは収穫だったね」とおっしゃいました。

 デイリー杯ではこれまでの先行する競馬から、一変して後方からの競馬をしての2着でしたからね。かなり、器用なタイプとみました。

ダローネガ

 レース後はノーザンファーム信楽に放牧へ出て、そこで3回ほど15-15をこなしたということで「こんな馬体になってほしいというイメージ通りに仕上がってきた」と先生は満足そう。

 先週は佐藤哲三騎手が跨って坂路を単走。タイムは52.7-13.0秒で動きも上々でした。これで、しっかり仕上がったということで、今週の最終追いでは助手さんが手綱を取り、テンはゆっくりとの指示で行われました。

 馬場があまりよくないこともあり、無理をしないようにと用心しながら内々を通ったにもかかわらず、坂路単走で53.2-12.8秒とかなりの好時計。「今日は流すだけにしたんだけど、ちょっと速かったかな」とは佐々木先生。

 レースに関しては「輸送も大丈夫だし飼い葉食いもいいから、あとは枠かな。でも、レースセンスがいい馬なので、(どの枠でも)いい勝負ができると思うよ」と先生はニコニコ顔でコメントしてくれました。

 レースセンスはもちろんですが、ダローネガがスゴイのは馬体ですね。見事な体に見とれていると、担当の北見さんが「いい馬体になったきたやろ! 新陳代謝がいいので、冬でも汗をかいてくれるんや」と嬉しそうに話してくれました。

 たしかに、デイリー杯のときより、大きくなったように感じましたね。お尻がもっこりして筋肉もパーンと張っています。そのため、動きもキビキビしているんです。

 ちなみに、お話を聞いている間中、ダローネガの隣の洗い場でアーネストリーが汗を流していました。この佐々木厩舎の大将の話しもしっかり聞いたので、来週をお楽しみに。

 さて、デイリー杯2歳Sでダローネガに土を付けたクラレントの最終追い切りは、いつも通り坂路で行われました。

 小牧騎手を背にレッドブレイゾンと併せ馬。53.1-13.8秒でやや遅れましたが、橋口先生は「前走の疲労も感じられないし、動きもよかった」と納得の表情。また、放馬の影響で13着となった前走の東スポ杯に関しては、「あれは、度外視していい」とキッパリ言い切りました。

クラレント

「デビューから強い競馬をしてくれているよね。根性があるんで楽しみだよ。デイリー杯2歳Sでは、内々に包まれる厳しい競馬だったけど、馬群の間を上手く抜け出して力勝ちできた。半兄のリディルとフォームはよく似ているけど、精神面はクラレントの方がどっしりした感じ。フットワークの大きな馬だから、良馬場でやらせてあげたいよ」(橋口師)

 このコメントからも、先生がこの馬にかなり期待していることが分かりましたね。追い切り後の運動をしているクラレントを見ていると、息遣いもよく、歩様もしっかりしていて、リズムよく歩いていました。その姿に力強さを感じましたね。先生が期待するのも分かります。

 ダローネガとの再戦がどうなるか、本当に楽しみです。

 さて、今週の僕の気になる1頭はマコトリヴァーサル。今、絶好調の須貝厩舎の馬なんですよ。今週の追い切りでは、坂路でアスカトップレディと併せ、53.6-13.2秒でやや遅れ。

 追い切り後、須貝先生は「先週キッチリやっているから、今週は軽く流したんだ。2、3戦目は納得のいく競馬ではなかったので、今回はこの馬の力を出した走りをしてほしいね。体全体を使ったフットワークは力強いし、能力は十分あるので楽しみにしています」とコメントしてくれました。

マコトリヴァーサル

 担当の内田厩務員と運動するリヴァーサルは、どっしりとした歩様をしており、たくましさを感じる動き方。

 内田さんとは、中尾正厩舎のときにお世話になっていたんですよ。ビックショウリやビックサンデーを作り上げたベテランなので、その腕は信頼できる方。おそらく、本番までにはキッチリ仕上げてくるでしょう。

 これまで、やや目立たない存在だったリヴァーサルですが、ここで一発逆転の可能性も十分考えられますよ!

 さて、中山のマイル戦はおむすび型のコースで行われるため、圧倒的に内枠有利で知られていますよね。そのため、実力のほかに展開と運にも影響されることも多いコース。そんなコースを、若駒たちがどう攻略してくるのか、見逃せないレースですよね。

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1977年8月2日、大阪府生まれ。96年3月に中尾正厩舎所属でデビュー。同期に福永祐一、和田竜二らがいる。96年3月10日、タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビューからの約5か月で12勝をマーク。しかし同年8月、レース中に落馬事故を起こし意識不明に。その後、奇跡的な回復をみせて復帰。03年には中山GJでビッグテーストに騎乗しGIを制覇をする。 04年8月28日、小倉競馬場で行われた豊国JSで再び落馬。レース復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は、栗東トレセンを中心に、精力的な取材活動を行っているほか、えふえむ草津(785MHz)にて『常石勝義のお馬塾』(毎週土曜日9:45〜)に出演中。

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