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阪神カップ

  • 2011年12月16日(金) 18時00分
 今年で6回目を迎える「阪神カップ」。1400mは、これまでどちらかというと1200〜1400mこそ理想のスプリンター型の出走馬が多かった。

 だが、今年は、
 01.リアルインパクト  11年安田記念
 03.エーシンフォワード 10年マイルCS
 04.マルセリーナ    11年桜花賞
 16.グランプリボス   11年NHKマイルC

 なんと、これまではめったに出走しなかった「マイルのGI」勝ち馬が4頭もそろって出走してきた。レベルの高い短距離戦では、「1ハロン長いくらいの距離で好走実績のある馬に注目」が定説。スペシャリスト有利は当然でも、厳しい内容になればなるほど、総合スピード能力が求められる。まずこの4頭に注目だろう。

 ネームバリューのある馬が多く出走してきたのではない。ハイレベルの1400mになること必至。この距離にビッグレースはないものの、GI級の内容を期待したい。

 そのマイルのGI勝ち馬4頭、しかし、GI馬となったあとはみんなそろって未勝利をつづけているのが「共通点」。でも、さすがにここで4頭そろってオープン特別組や、GII〜GIIIグループにひねられては、紛れの多い距離ではないから、ランキングも格もなくなりかねない。ましてGI馬4頭のうち、6歳エーシンフォワード以外はみんな「3歳馬」。さらに上昇、さらなる進境ありのはずである。

 3歳グランプリボス(父サクラバクシンオー)に期待したい。意欲のイギリス遠征は心身に大ダメージの残りかねない失速(大敗)に終わったが、若い3歳馬の初遠征のこと、たとえ挫折はあったとしても、長い目で見れば得るものの方が大きい。イギリス遠征でも騎乗したM.デムーロ騎手は、グランプリボスの経験を理解している。前回も、今回も実戦で騎乗するだけでなく、調教にも乗っている。前回のマイルチャンピオンS当時は明らかに復調の途上。傷いまだ癒えず。そんな状態だったが、今回の追いきりでは明らかに走法のリズムを取り戻しているように見えた。まだ、陣営にしても半信半疑で評価は低いが、父母両系ともにタフなスピード血統。1400mはベストに近い。復活できる。

 牝馬マルセリーナ(父ディープインパクト)は、メンバー中、ただ1頭だけ1400m以下未経験。厳しいレースになる危険大だが、ここ2戦のような出負けさえなければ、1400mのスピードと切れ味の勝負は決して不利ではないだろう。ルメール騎手に合うと思える。リアルインパクト(父ディープインパクト)の前回5着は、パワー負け、底力不足とは思えず、この中間の気配もいい。安田記念だけでなく、毎日王冠好走の実力を発揮したい。

 GI組以外では、2走前のスワンSを快勝したリディルが巻き返す。また大外の18番を引いたあたり、折り合いに最大の課題を残すこの馬、完全にツキに見放されている印象が強いが、前回の1600mとは流れも異なる。馬群に突っ込んでいきたい。

 距離ベストのサンカルロ、デキ急上昇のワンカラットのほか、大穴には春の京王杯も安田記念も脚を余した印象のあったクレバートウショウ(今回は無欲の高倉騎手)を加えておきたい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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