いよいよ、今週末は有馬記念となりました。今年はファン投票上位10頭中、8頭が出走するという豪華メンバー。まさに、2011年の最強馬決定戦と言うにふさわしい一戦となりました。
まずは、三冠馬オルフェーヴル。今週の追い切りには、池添騎手自らが跨り、坂路でエアラフォンと併せ。タイムは51.7-12.3秒でクビ差先着。力強く、安定した走りを見せました。
池添騎手はこの動きに手ごたえを感じたのか、レースについて聞くと「三冠馬ですからね。この馬の力を信じていますよ。一番大切なのは折り合い。枠は内のほうがいいですね。まだまだ勝ち続ける馬だと思うので、記録を作っていきたいです」と力強く話してくれました。
そして、池江先生は「課題はまだある馬ですが、欲はいいません(笑)。肉体的にも精神的にも幼いですが、走るたびにイメージどおりというか、それ以上にすごいレースをしれます。菊花賞も、終わってみれば、想像以上の力を出していました。強くなっていますよ。なにしろ、直線勝負だけではなく、GOサインが出れば一気に先頭に躍り出る瞬発力を持っています。どんな競馬もできるので、今回のレースは楽しみです」と笑顔で答えてくれました。
そのほかにも、池江厩舎からは天皇賞馬・トーセンジョーダンも出走します。CWで行われた最終追い切りでは、前を2馬身ほど後ろから追いかける形でスタートし、じわじわと差を詰めていきました。そして、ウィリアムズ騎手の合図が出ると、瞬時に反応。あっという間に前を交わし、2馬身先着でフィニッシュしました。
池江先生はこの内容に「攻めて力を見せてくれた」と満足そう。「充実期真っただ中って感じですね」と顔をほころばせました。
昨年の有馬記念は逃げての5着でしたが、あれから競馬の内容を見れば成長していることは明らかです。何かやってくれそうな予感がします。
春秋グランプリ制覇を狙っているアーネストリーも好調。水曜には佐藤騎手が騎乗して、坂路51.7-13.0秒をマークしました。しかも、しっかりとした脚どりで真っ直ぐ走っていましたよ。
佐藤騎手によると「リズムのいいときは、真っ直ぐ走る」んだそうです。
好調なのはもちろんですが、「中山2500mは、コーナーを6つも回る。これは、この馬にぴったりだと思うんだよね」と佐々木先生。
また、「天皇賞・秋は大外枠に入って結果が出せなかったよ。でも、賢い馬で自在性のある動きができるのは大きいよ。心臓もタップダンスシチーよりいいんじゃないかな。体質自体も強くなったよ。500kgを越す大型馬だけど、キッチリ仕上がっているからね〜。メンバーは揃っているけど、僕も哲ちゃんもタイトルがほしいよ」と笑顔で話してくれました。このほほえみは余裕の現れなんでしょうか。
まあ、自信があるのは、あの馬体をみれば分かります。お尻が盛り上がっていて、後肢の内股の筋肉が発達し、血管が浮き上がっているんですよ。また、脚自体もギュっと引き締まっていて、まるでモデルさんのよう。
そう担当の田重田さんに言うと「こうならないと、走らんのよ。後肢の出し方が速くなるから、しっかり掻き込める。すると、筋肉がしっかり付く」と教えてくれました。さらに、「でもね、2歳のときは体質が弱かったんだよ〜」と田重田さん。
若い時分のアーネストリーはややひ弱いところがあったうえに、性格もやんちゃ。しかし、毎日のケアに時間をかけることで体質は改善し、メリハリをつけて誉めることで性格もドッシリとしていったんだそうです。性格に落ち着きが出ると、能力が活かせるようになり、快進撃が始まりました。
いまや、むしろマイペースな馬ですからね。その証拠に、他の馬が田重田さんに遊んでもらっているのを見ながら、モクモクと1頭飼い葉を食べていました。
そうそう、まだアーネストリーが他の馬と違う点があるんですよ。たいていの馬は、調教が終わると地下馬道を上がってきたところで騎乗者が下馬して、担当の厩務員さんに馬を引き継ぎます。
でも、アーネストリーは哲三さんが跨ったまま厩舎まで送り届けているんです。これは、けっこう珍しいことなんですよ。しっかりお家まで連れて行くことで「しっかり走ったね」と言い、調教と調教終わりのメリハリとけじめをつけているんだそうです。
こんなところにも、職人・佐藤哲三騎手のこだわりがあったんですね。そのほかにも、こだわりが…。
「もうアーネストリーとは4年も付き合っているけど、これから本格化する馬だと思っているよ。6歳なんて年齢は関係ない。能力があるんだ。だから、頭の先からつま先まで意識して走らせるようにしているんだよ」(佐藤哲騎手)
う〜ん、半端ないこだわりようです。なんだか、厩舎スタッフ、調教師の先生、騎手と、みんなが一丸となっているのが分かりますね。ホント、今回の走りが楽しみです。
哲三さんも「有馬記念は、僕にとっても勝ちたいレース。タップダンスシチーで2度2着に敗れているからね。アーネストリーは切れ味が武器。このチャンスを活かしたい」と話していました。
さて、僕がズ〜っと追いかけているローズキングダムも状態良好でしたよ。
最終追いには関東から後藤騎手が駆け付ける念の入れよう。調教後に後藤さんに手ごたえを聞くと「いい感触でした。きてよかった」と笑顔がこぼれました。
また、「女の子のような繊細さのある馬なので、レースでは体力を保ちながら最後に切れ味のある脚を使いたいですね」と後藤騎手はすでに作戦を立てているようでした。
なんたって、ファン投票4位と期待されていますからね〜。もともと能力のある馬ですから、その底力を活気してくれれば!
このほかにも、このレースを最後に引退するブエナビスタ、ドバイワールドC馬のヴィクトワールピサなどなど、素晴らしいメンバーが揃っています。
今年最後の大一番が今から楽しみです!
【お知らせ】
『トレセンであい馬show』の次回更新は1/12(木)になります。ご了承の程よろしくお願い致します。