今少しずつ競馬が動いているとき。ダービーからダービーへというサイクルを中心にすえて、競走馬の現役生活に少なからず変化が見られています。それは目に見えにくい現象ですが、5月25日のオークス、6月1日のダービーが近づくにつれ、それははっきりしてくる筈です。
シンボリクリスエス、ファインモーションの2頭の4歳馬は、いずれも外国産馬。この牡牝は、それぞれの分野で競馬の流れを変えました。この2頭がたどった去年の蹄跡こそ、新しい競馬を具現しています。
シンボリクリスエスのダービー2着、そして秋の大活躍。ファインモーションの秋華賞、エリザベス女王杯の快勝。それは、そのまま次の世代、現3歳馬に受け継がれていきます。今年からは、オークスが外国産馬に限定開放されました。どの程度、その影響が出てくるか分かりませんが、18頭の出走枠をめぐる戦いは厳しくなります。全てがめざすダービー、オークス。厳しいだけ、レースは面白くなり、一年の競馬のクライマックスに向け、従来にも増してヒートアップしていくでしょう。
去年のダービーは、賞金獲得1200万円でも出走できませんでした。それが今年はどうなるのか、とにかく、早いうちに出走権だけは取っておきたい。そんな思いで年明けを迎えたのですが、新馬戦の除外の多いこと。勝つことの前に出走させることのむずかしさがあるのです。未出走馬の中にも、相当な素質馬もいる筈。これでは、2歳時にデビューしたものでないと、オークス、ダービーには出られないという声まで聞かれるようになりました。とても、おっとり構えてはいられません。シンザン記念、京成杯を戦う中から、巻き返したり、ステップアップする3歳馬が、案外、この先のクラシックロードを有利に進めていくという、これまでよりも戦いは早まっているように思えてなりません。