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中山金杯

  • 2012年01月04日(水) 18時00分
 年の最初の重賞があまりに順当におさまっては、なにかと希望が持てなくなる。そんな理由は実際のレースとは関係ないが、中山金杯は難しい結果を示す配当が多い。京都金杯も小波乱が多い。過去10年、中山金杯で馬券に関係した「30頭」のうち、約半分の「14頭」が上位5番人気には入らない伏兵で、なおかつ7頭はは2ケタ人気の馬である。

 京都金杯も30頭中、そっくり同じ14頭が6番人気以下の伏兵だが、こちらは2ケタ人気馬が2頭だけ。同じ波乱でも、ちょい荒れパターンが多い。

 ハンデ戦の難しさは変わりないが、京都金杯はマイル戦。京都の1600mは前後半のバランスを失わない平均ペースが多いため、また、基本距離とされる1600mだから、そうは荒れないということか。京都金杯は人気の1頭マイネルラクリマの先行抜け出しを買いたい。一方、中山金杯の2000mは、不確かなレースの流れが大きな比重を占めてしまう。また、カギをにぎる多くの関西所属馬が遠征してくるが、中山の2000mの経験がないことが多い。有馬記念の2500mほどではないが、決してやさしいコースと距離ではない。それが死角というわけでもないが、今年も人気のアドマイヤコスモス、エクスペディション、さらにトップゾーンは初コースであり、ネオヴァンドーム、エーシンジーラインは1戦(2ケタ着順)の経験しかない。

 初コースは承知。坂のある阪神2000mで勝っているのと、多少は前が壁になるシーンがあるぐらいで、かえって折り合い難も出ないと考え、伏兵「トップゾーン(父ステイゴールド)」を狙いたい。父母両系ともにやや遅咲きの血を引くこの馬、ずっと500〜1000万条件に低迷していたが、5歳の昨年になって3勝をあげ、一気にオープンに出世してきた。2走前が2000mで0秒1差。上がり33秒8。前回も7着とはいえ、差は0秒3のみ。オープンでも十分に通用する。早めに行ける自在性もある。

 折り合いに難のある馬だが、今週からCコースになっての内枠だから、好位〜中団のインで我慢し前にカベを作ることが可能。折り合いの不安はもっとも少ない枠を引き当てた。テン乗りになる丸田騎手は、1週前28日の追い切りに栗東まで行っている。距離はベストの2000m、勢いに乗る父ステイゴールドを血も味方にしたい。

 まともなら、JRAにもどって5連勝中のアドマイヤコスモスか。4分の3同血になる上のアドマイヤフジは、09年、10年のこのレースの勝ち馬でもある。素直に同馬から入ってもいいが、人気が集中しすぎるのと、父アドマイヤマックス(母ダイナシュート)が典型的な平坦血筋であることから、初の中山で取りこぼす危険もある気がする。

 以下、同じステイゴールド産駒のエクスペディション(浜中騎手)、フェデラリスト、コスモファントム。穴馬は、今度は3日時点で520kgに絞れていたダイワファルコン。もう1頭、スローの方が切れ味の生きる差し馬エオリアンハープを加えたい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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