この時期の1600mになって今年が4回目。もちろん桜花賞を展望する馬が注目を集めるマイル戦だが、クイーンCがそうであるように、きわめて難しい時期。キャリアの浅い馬にとっては、ここで路線に乗らなくては間に合わないし、また、2勝馬(本賞金900万)で路線に乗りかかっている馬にとっても調整や仕上げが難しい。
クイーンCも同じだが、いまの時期にピークに近い状態で賞金を獲得して桜花賞出走OKとなったところで、桜花賞は阪神。春の4月に再びピークの状態に仕上げるのは至難である。きつい仕上げはできない。
昨年、阪神JF9着から帰ってここを制したダンスファンタジアは、クイーンCにも出走したあたりから、そのあと春シーズンはボロボロの成績になってしまった。
一昨年、ここを2着したのがアプリコットフィズ。同馬も2月のクイーンCに出走したあと桜花賞に向かったが、直前の輸送だと体が減り気味になるため、桜花賞も、帰ったあとのオークスも望んだ成績ではなかった。
マンハッタンフィズ産駒が、3月の春シーズンに輸送やカイ食い(体調)に苦心するのは、一族の代表馬マンハッタンカフェと同じである。マンハッタンカフェは3歳春、路線に乗せようとしたら、体が20kgも30kgも減ってしまった記録がある。
この一族でアプリコットフィズの半妹になるシャンボールフィズ(父キングカメハメハ)に期待したい。新馬を快勝のあと、いきなり関西に遠征。陣営のかかげた展望は500万特別を勝ち、そのまま阪神JFに挑戦することだった。だが、C.ルメール騎手が連戦して騎乗できない誤算があり、白菊賞17頭立ては馬群にもまれ物足りない4着止まり。
ただ、直前をひかえめにしたこともあるが、いきなりの関西遠征でさして体が減らなかった。上のアプリコットフィズと違って、それほどカリカリしたり、カイ食いが減って遠征競馬に大きな問題ありのタイプではないことを示した望ましい見通しだった。
帰ってすぐ体が回復し、正月3日の追い切りがもう一歩だったと判断すると、6日も軽い調整にとどめるのではなく、上がり12秒0で終いを伸ばす最終追い切りができた。
プラスはもうひとつ。今週から短期免許を獲得(2012年)した、C.ルメール騎手が再び騎乗できることになったのである。
先行型ではないから、外の15番枠もそう大きな不安材料ではないと思える。小柄でも思われていたより精神的にタフな一面を示しはじめたシャンボールフィズに期待したい。
パストフォリア、オメガハートランドが本線。波乱の可能性大なのでダイワミストレス、トーセンベニザクラ、内のターフデライト、動きの良さが光るルネッタアスールも相手に加えたい。