前回の特別連載で中山金杯の話をしたので、各馬の事前判断と当日の状況をどう結びつけていくかの実践的な解説を今回はしてみようと思う。
まず、断然人気に支持されたアドマイヤコスモス。前回では、今回は多少疲れがあるので、タフな流れの内枠になると怪しいという話をした。心身ストレスがある状態で、内枠で揉まれると馬は嫌がるからだ。有馬記念のヴィクトワールピサの解説にもあったので、覚えている人も多いだろう。
で、枠は16頭立ての5番枠。もろに内枠だ。これは危ない。ただ、メンバー的にそれほど厳しいペースになる感じはしない。そう考えると、心身疲労が出る可能性は5分5分だろう。仮に疲労が出なくても、今回は勝てるかどうかぎりぎりのストレス状態の上に、断然人気という状況を考慮すると、相手の1頭ぐらいが妥当と判断できる。そこで私は4番手評価とした。
これが仮に有馬記念の馬場なら即切りだった。ヴィクトワールピサがスローになっても結局疲れの影響が出て凡走したように、スローになった場合に物理的に優位なはずの内目の枠が伸びない馬場状況では、何一つプラス材料がないからだ。ヴィクトワールピサが凡走したぐらいだから、あの馬場ならアドマイヤコスモスなど、ひとたまりもないだろう。ただ、この日は馬場替わり。内がまた伸び出している可能性もあったし、むしろ一番有利に変わっている可能性もあった。そこで4番手が妥当と判断したわけだ。
本命にしたのはフェデラリスト。今回は格上げ初戦で鮮度が高い。期待値の高い1頭だ。前回話したように厳しい流れを経験していないのが唯一最大の不安材料だが、今回のメンバーではハイペースは考えにくい。枠は馬群を割れる状態なので内枠がベストだったが、前回の広い東京の準OPより流れが体感的に厳しくなることは間違いないだろう。それなら、6枠は流れの外から競馬が出来るので悪い枠でもない。そのような判断での本命だった。
対抗はダイワファルコンとした。この馬は想定段階では印がなかったので編集担当が話題に出さなかった馬だが、前走は2走前と同じ1800mのOP特別。2走前勝ちのストレスと飽きで嫌になっても仕方が無い状況だった。今回は凡走後だから、ストレス無く、M的には買いたい馬になる。
結果、アドマイヤコスモスは道中で揉まれて嫌気が差して惨敗。後に骨折が判明したが、道中の揉まれ込んだ感じからも連対はなかったし、故障自体蓄積疲労によるものに他ならない。
フェデラリストは枠なりの競馬をして1着。2着にはダイワファルコン。携帯の前日予想の1点目で、馬単43倍を当てることが出来た。
3着には緩い流れの内枠ならと話したコスモファントムが、当日その通りの状況になったので入線。私はもう少しペースが上がるだろうと考えていたのと、それなりの人気だったのであまり評価しなかった。
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