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ニューイヤーS

  • 2012年01月13日(金) 18時00分
 ベテラン騎手に関する話題が多い。まず、内田博幸騎手(41)が昨年5月の落馬事故以来、約8か月ぶりにファンの前に姿をみせてくれた。骨折した箇所が箇所(頚椎)だけに、報道も規制(自粛)され、みんな祈るように回復を待っていたが、強靭な体力と、あの鍛えた太い首が幸運をもたらしてくれた。早ければ東京の開幕週にも乗れるという。奇跡にも近いジョッキーとしての再起である。もう内田博幸の話題はタブーではない。馬券も当たる気がする。

 寒い時期はとくに乗り鞍を抑えている安藤勝己騎手(51)、騎乗停止もあって9日から乗り始めたばかりの横山典弘騎手(43)、この時期は骨折箇所が痛むのかもしれない武豊騎手(42)。この3人、珍しいことにまだ未勝利である。だが、今週は有力な注目馬がそろっている。とくに例年、正月競馬で好スタートを切る横山典騎手は、今週は乗り鞍がそろっている。固め勝ちもありそうである。

 そして、蛯名正義騎手(42)。幸先よく中山金杯(初制覇)を勝つと、3日間を終えたところで[6-1-3-16]。絶好の滑り出しをみせている。

 このレースで乗るのは、人気のコスモセンサー(父キングカメハメハ)。引いたのは絶好の1番枠。明らかにツキがある。昨年のこのレースを「1分32秒9」の好時計で勝っているこの馬、昨年は6か月ぶりだった。飛ばしたゴスホークケンが前半1000m通過57秒1のハイペースを作り出した中、内の2番枠から積極的に2番手追走。この馬も前半1000mを57秒4で通過しながら、そのまま押し切っている。

 今年はどうみてもそれほど強引に飛ばす伏兵はなく、すんなり得意の先行策がとれるだろう。休み明けだった昨年とは異なり、前回、阪神の「ファイナルS」1600mを快勝して完調に近いデキで望める。3歳の2月に「アーリントンC」を勝ち、昨年はこのニューイヤーSを制し、12月最終週のファイナルCを勝っているから、冬場に調子が上がるにちがいない。通算[5-0-1-17]。特徴的なここまでの成績をヒントにすると、買うなら馬券作戦も強気でいい。

 昨年、前半は控えて進み、最後は大外から突っ込んで0秒1差の「1分33秒0」で2着しているヒットジャポット(父フジキセキ)が、また今年も出走してきた。まるで流れも異なるだろうから、昨年と同じワン、ツーは考えにくいが、ヒットジャポットも目下のデキは絶好調に近い。嫌う手はない。

 ガルボ(父マンハッタンカフェ)が大外16番枠を引いてしまったから、これは押さえに回し、自在型のコロンバスサークル(マイルは合う公算大)、ホッカイカンティ、やけに動きのいいムラマサノヨートー、スマートステージも互角としたい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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