この間のGI特別企画のときにも話が出たダイワメジャー産駒について、出走数も増えたので、簡単に見ておこう。
一番のポイントは、精神コントロールの難しさにある。そのため掛かりやすく、距離変更ショックや、前走からのペースアップなどで集中させないと、レースを投げ出す可能性が出てくる。だが、精神コントロールが難しいということは、そのぶんS的要素が強いので、強い相手でも踏ん張れるという特性がある。
このような性質を考慮に入れながら、産駒の具体例を見ていこう。
まずは、以前話に出たオリービンを見てみよう。京王杯2歳Sのときは、前走からの短縮で精神コントロールが付くということ、単勝9.2倍というのも魅力で、前日予想で本命にしたのだった。
ところが当日は関東への輸送に失敗して、マイナス24キロの激減。そんな状況の中、差し競馬を唯一先行馬で粘って3着に激走したのだ。このときは、短縮後の延長だったので、精神コントロールが難しくなったのが敗因だった。お陰で、単勝爆弾を仕掛け、勝ち馬の単勝15.4倍で儲けた。その強い内容を受けて、次走、自己条件500万の千両賞では1番人気になるも、馬体が戻ったのに関わらず2着に敗退。
その次の500万は判断が難しい。今回は同距離で特に精神的なプラス材料はないが、前走がスローだったので、今回ペースが上がれば掛かる恐れが減って精神コントロールが付きやすい。また、格上相手に短縮激走した直後の前走のような強いストレスも今回はない。
以上から、前走よりは買いだが、1番人気では期待値微妙で静観するのが妥当だろう。結果、ペースが前走と一転ハイペースに流れたことで、精神コントロールが付き、完勝したのだった(仮に今回もスローだったら、勝っていたかは定かではないが)。
そして迎えたのがシンザン記念。京王杯歳Sの時の強い内容と、近走の勢いが評価され、3番人気に支持された。
しかし、これは何とも微妙だ。前走の速めの流れより今回の方が速くなるかどうか分からないからだ。重賞なので体感的なペースアップがある可能性はそれなりに高いが、上がり勝負になりやすい京都替わりを考えると微妙なラインだろう。
ただM的なプラスポイントもあった。それは「格上げ戦」である。つまり鮮度がアップし、モチベーションも上がるわけだ。これだけでも何とも判断が難しい状況だったが、ペースと鮮度の問題以外に、もう1つ、私には気掛かりなことがあった。
そのことを確かめたいというのが、実はこのレースにおける、私の中での最大テーマでもあったのである。
(来週につづく)
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