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ダイワメジャー産駒の買い時(2)

  • 2012年01月25日(水) 18時00分
 ダイワメジャー産駒のオリービンがシンザン記念に出走するとこで、一番気がかりだったこととは蓄積疲労である。タフだった京王杯2歳Sから中2週、中2週、中1週というローテで出走しており、蓄積疲労の心配がある。

 ただ、前2戦は条件戦。格下のレースの場合は疲れが溜まりにくいのは、言うまでもない。また、格上げ戦で生命リズムが高揚しているときは、多少の疲れは精神的に我慢出来る(格上げ戦で一番怖いのは、蓄積疲労よりむしろ陣営が「勝って楽をさせている」という人為的な問題の可能性である。これに関しては、調教や馬体重である程度判断できる)。そういう意味で、致命的な疲れでもない。

 疲労に弱い種牡馬なら凡走するタイミングだが、通常の種牡馬なら多少の影響を受ける程度で済む可能性が高い。そこで私は格上げの鮮度とペースの問題のバランスから、人気通りの3番手評価が妥当と判断した。

 しかし、結果は7着惨敗。その主な要因はペースだ。前走は前後半3ハロンのラップ差が1.2秒。今回は緩めの流れで0.5秒だけ。その差で0.7秒あった。これでは凡走も仕方ないし、緩めの流れならディープインパクト産駒のジェンティルドンナが勝つのも仕方ない。

 ちなみに私は、このレースで4着となったトウケイヘイローを朝日杯FSでは、格上げの鮮度があったので1、2着馬の次の評価にした。しかし、今回のシンザン記念では1番人気ではあるが危ないと判断していた。トウケイヘイローは前走厳しい流れを先行しての4着を評価されていたが、前走は格上げ戦の鮮度で頑張っただけなので、そのぶん心身疲労は激しく、中2週では押さえ程度で充分と判断し、。3番人気オリービンの微妙な状況から、ジェンティルドンナと逃げ馬シゲルアセロラの単勝2点買いを実施した。

 話を戻すと、このオリービンの7着という着順をどう評価するかだ。緩い流れだけが敗因とすれば7着というのは、いささか負けすぎではないか。本来なら4、5着が妥当線だろう。

 そう考えると、疲労の影響が2、3着ぶん出たということになる。この形で疲労の影響が出るわけだから、やや疲労に弱いのではないか? という疑いが濃くならざるを得ない。

 オリービン固有の問題だったのかもしれないが、少なくともダイワメジャー産駒がも蓄積疲労耐久指数が高い部類には入らないと考えるのが自然だ。

 そんな認識を得た翌日、今度はフェアリーSにトーセンベニザクラというダイワメジャー産駒が登場した。この馬の場合はどうだろうか?

(来週につづく)

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ストレス、ショック療法など、競走馬の心身構造を馬券にする「Mの法則」を発見し、従来の競馬常識を完全に覆した。現在は、競馬雑誌等で活躍中のほか、馬券研究会「Mの会」を主催し、毎週予想情報の提供を行なっている。主な著書に「短縮ショッカー」、「ウマゲノム版種牡馬辞典」、「ポケット版 大穴血統辞典」などがある。

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