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京都牝馬S、レディアルバローザ変わり身期待

  • 2012年01月26日(木) 18時00分
 今週のトレセンも、寒さが厳しかったですよ〜。スタンド近辺には、あちこちに氷が張り思わずツルリッと滑ってしまいそうでした。危ない危ない…。

 こんなとき、気になるのは馬の脚元。なので、どの厩舎スタッフも「こんな日に無理をさせては…」と慎重に調教をしていました。また、馬場も重くて全体的にあまり時計も出ませんでしたね。

 でも、今週は東西で3つの重賞が行われるとあって、熱気は十分にありました。なかでも、僕は注目したレースは京都牝馬S。上昇ムードの牝馬たちが集まり、いいレースが見られそうです。

 まずは、このレース連覇を狙っているショウリュウムーン。調教前の運動では、しっかりした歩様を見せていましたし、かなり状態はよさそう。担当の北峰さんが「気合いが乗って困るぐらいや」と嬉しい悲鳴を上げていました。

 追い切りは谷口助手を背に坂路を駆け上がり、54.6-12.9秒とまずまずの時計。動きも軽快でいい仕上がり具合を見せていましたね。「今日の馬場で、手前を替えずにこの時計だからね。力を付けてきた証拠だよ」と谷口さんも満足気でした。

 また、佐々木先生は「この馬は、休み明け2走目ってよく走るんだよね。だから、ここを目標に調整してきたんだ。前走の金杯は男馬相手の競馬でよく踏ん張ったよ。今回は牝馬が相手だからね。あのアパパネにも勝った(10年チューリップ賞)実力の持ち主だし、潜在能力も十分。だから、楽しみにしているよ」と笑顔で話してくださいました。

 昇竜の勢いで、牝馬との対戦を制してほしいですね。

 つづいて、笹田厩舎ですが2頭出しでこのレースに臨みます。まずは前走エリザベス女杯12着からの立て直しを図るエリンコート。

 樫の女王復権に向け、昨年のエリザベス女王杯後に放牧に出し、馬の気持ちをリフレッシュ。そこから、じっくりと調教を積み重ねたんです。その成果もあって、「併せ馬で粘りのある走りをするようになってきた。それに、馬体も大きくなってパワーアップしたんだよ。昨春のような勝負根性復活に向けて、万全の態勢で臨むよ!」と笹田先生。

 ちなみに、ただいま笹田厩舎には、あのミルコ・デムーロ騎手の弟、クリスチャン・デムーロ騎手がいるんですよ。それなら今回はクリスで…と思いきや、どうも斤量的に難しそう…ということでルメール騎手が乗ることになりました。以前、リスポリ騎手で勝ったこともありますし、外国人騎手との相性はいいかも? これは、楽しみです。

 さらに、女王杯17着と涙を飲んだレディアルバローザは、昨年末から坂路、コース併用でジックリ乗り込まれてきました。ここ2週はポリトラックで切れのある走りを見せているんです。

レディアルバローザ

 それに馬体も良くなっていましたね。500キロを越す大型馬ですが、パッと見た感じ、そんなに大きくは感じませんでした。これは、全体のバランスがいい証拠です。また、脚が長いんですよ〜。特に後ろ肢が長いため、お尻がツーンと上がってモデルのよう。ちなみに、顔も切れ長の目をしていて、かなりの美少女です。

 しかし、担当の福田さんに言わせるとお嬢様っぽいのは、厩舎にいるときだけ。「競馬に行ったら、すごいんだから」とのことでした。きっと、オン・オフをしっかり付けているんでしょうね。賢いです。

 手綱は前走に引き続き、武豊騎手が握ります。余談ですが、ユタカさんの馬への当たりって、本当に柔らかくて抜群ですよね。気難しい馬の御し方なんて最高です。あれって、手首が柔らかいので、馬に併せて動けるからなんですよね。それに、騎坐が安定しているので、人馬一体になり馬も走りやすいんです。

 おっと、余談はこのぐらいにして…。笹田先生は「前走は距離が長かった、マイルぐらいの方がいい」と距離短縮で変わり身に期待しています。たしかに、マイルの戦績は悪くないですから、ここは一発ありそうな予感がしますね。

 最後に僕のお薦めの1頭をご紹介。今週は須貝厩舎のアスカトップレディに注目しました。須貝厩舎の馬は毎週重賞戦線で粘りのある走りを見せていますもんね。

アスカトップレディ

 トップレディの前走は、牡馬を相手にした京都金杯。そこで3着と十分に見せ場を作りました。

「レース後も好調をキープしていますよ。追い切りには酒井騎手が乗り、いいイメージを持ってくれたようです。動きも息遣いも良かったと言ってくれましたからね。レースは前走と同じマイル戦なので、条件としてはベストだと思う。安心して送り出せますよ」(小島厩務員)

 今週も須貝厩舎の活躍が楽しみですね〜。さて、週末も寒さが厳しいようですから、暖かくしてお出かけくださいね。で、馬券も当てて懐も暖かになりますように。

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1977年8月2日、大阪府生まれ。96年3月に中尾正厩舎所属でデビュー。同期に福永祐一、和田竜二らがいる。96年3月10日、タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビューからの約5か月で12勝をマーク。しかし同年8月、レース中に落馬事故を起こし意識不明に。その後、奇跡的な回復をみせて復帰。03年には中山GJでビッグテーストに騎乗しGIを制覇をする。 04年8月28日、小倉競馬場で行われた豊国JSで再び落馬。レース復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は、栗東トレセンを中心に、精力的な取材活動を行っているほか、えふえむ草津(785MHz)にて『常石勝義のお馬塾』(毎週土曜日9:45〜)に出演中。

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