早いもので、もう今週末には春のクラシック登竜門きさらぎ賞が行われます。
昨年三冠馬となったオルフェーヴルも通った道ということで、偉大な先輩に続け! と池江厩舎からはワールドエースが出走。今回は小牧騎手が手綱を取ることになりました。
水曜はさっそく小牧さんが跨り、僚馬・サトノシーザーと併せ馬で追い切り。坂路を54.0-12.7秒で駆け抜けアタマ差先着しました。
小牧騎手は「ムキになるところがあると聞いていたけど、落ち着いているし乗りやすかったね」と追い切り後に話したそうで、担当の中沢助手は「そう言ってくれるなら、安心して任せられる」と嬉しそうでした。
また「中1週でのレースだけど、テンションが上がりすぎることもなく、いい動きだった。今は競馬を教える時期だけど、昨年のオルフェーヴル(の同じ時期)より上手く走っているよ(笑)。気性も前向きだしね」と中沢さんは話してくれました。
厩舎で見るワールドエースは大物感十分。ハナ前に立つとジッと見つめてきて、ドキッとしました。もちろん馬体も素晴らしかったですよ。冬毛が伸びることもなくツヤツヤし、全身筋肉に包まれていました。
前走騎乗したユーイチに聞いたところ、「若駒Sで遅い流れのレースを経験したので、折り合いがつくようになった。能力のあるスゴイ馬だよ。これから、どんどん伸びていくだろうから、楽しみにしていてよ」とのことでした。
そういえば、須貝厩舎のジャスタウェイにもユーイチが乗っていましたっけ。こちらは、今回秋山騎手で出走です。初コンビということで秋山騎手は先週から手綱を取って、感触を確かめているんですよ。
しかも、今週はゴールドシップと併せという豪華な組合わせ。坂路を53.0-12.9秒で駆け抜けるとアタマ差先着しました。動きも素軽い感じで、よかったですね。須貝先生も「反応がよかった」と満足そうでした。
追い切り後に厩舎へお邪魔すると、洗い場にはズラ〜っとオープン馬たちが勢揃い。ドキドキしながらジャスタウェイの前に行くと、先生が「イケメンやろ?」と一言。たしかに、キリッとした男前です。
先生は「この馬、顔がいいんだよね。顔がしっかりしているのも(競走馬として)大事なことなんだよ」とおっしゃいました。たしかに、オープン馬ってみんないい顔しているような気が…。
「前走後は無理をさせずに放牧に出し、リフレッシュさせた。その後も、ここを目標に態勢を整えてきたからね。強い相手が揃っているけど、メンバー中最速の末脚を持っているし、能力の高さを秘めた馬だから楽しみだよ。できれば、用馬場でやりたいね」(須貝師)
躍進を続けている須貝厩舎ですが、昨年は重賞で2着4回、3着3回。今年に入っても重賞で3着3回と、あと一歩のところで重賞制覇に届かないもどかしさを感じている陣営。それだけに、ジャスタウェイで初重賞をと気合いが入っています。
ここで賞金を加算すれば、クラシックが見えてくるだけに期待したい一戦ですよね。
さて、今週僕がオススメしたいのは、大久保龍志厩舎のベールドインパクト。前走は直線で他馬にグングン差を付けての鮮やかな勝ち方をしました。しかし、ちょっと心配なのがスタート。そのことを大久保先生にうかがってみました。
「トレセンでのゲート練習ではスムーズに出るんだけどね…。競馬に行くと、ゲートを気にするようなんです。いい脚を持っているんだから、すんなりスタートが切れれば楽な競馬ができるんだけど」(大久保師)
ということで、そのあたりを踏まえて今回は兄デムーロから弟デムーロに鞍上を替えて臨むことにしたそうです。「ヨーロッパでは毎日競馬が行われています。その豊富な経験とテクニックに期待している」とのことでした。
しかし、それよりも「馬が前向きになっている」ことの方が期待できるようで、「末脚と持久力」を武器にいいレースをしてほしいとの先生はおっしゃいました。
きさらぎ賞の行われる京都芝1800mは、3、4コーナーから加速し、直線でも長くいい脚を使えることが勝利のポイント。そう考えると、チャンスは多そうです。
あっ、ちなみにC.デムーロ騎手は「日本ノ馬ハ、綺麗デ乗リヤスイデス。GOOD!」とハナしていました。
さて、きさらぎ賞ですが、クラシックロードを目指す若駒たちが勢揃いするだけに、このレース見逃せませんね!