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小倉大賞典

  • 2012年02月03日(金) 18時00分
 七夕賞、新潟大賞典、函館記念…などと同じローカルのハンデ重賞。ときにコースや時期が変更されたこともあるが、もう半世紀近く「春の小倉の、1800mのハンデ重賞」として行われている。最近では、小倉の重賞レースをことごとく制し、小倉【8-1-2-5】のメイショウカイドウ(父スキャン)や、9歳時と10歳時に連勝したアサカディフィート(父パラダイスクリーク)のレースである。

 記録をみると、ワカクモ(テンポイントの母。今年スマートギアを出走させる佐山優調教師が騎乗)や、小倉の重賞を勝ち尽くしたアトラス(武邦彦騎手)、ローカルの鬼ノボルトウコウ(安田富男騎手)が好走した時代があり、白面のヤマノシラギクや、田島良保騎手のトウショウレオ(トウショウボーイ一族)の時代もあった。大ベテランも、4歳になったばかりの若手もOK。最近10年間の連対馬20頭のうち、半分の10頭が「6番人気以下」。波乱が生じなければ納得できないレースでもある。最大の要素は、他のローカル重賞と同様、「コース適性(巧者)」。

 素直に中心馬を求めるなら、5歳エクスペディションか。オルフェーヴルと同じステイゴールド産駒で(総じて小回りのローカル歓迎)、同じ白老ファーム育ち。上のツルマルヨカニセも小倉記念などを好走したコース巧者なら、鞍上の浜中俊騎手も北九州育ちの、小倉巧者。全5勝中、4勝を小倉の1800〜2000mで記録している。人気で伸びを欠いた前回の中山金杯とは動き一変だろう。

 狙って中心に考えたいのは伏兵「トップゾーン」。小倉は4戦1勝にとどまるものの、父はエクスペディションと同じステイゴールド。ファミリーも平坦コースでこその渋いタイプが多く、祖母の全兄キッポウシ(カブトヤマ記念)を筆頭に、ちょっと広い意味の同牝系では、ワイドバトル(92)、サマニベッピン(96)、ミスズシャルダン(01)など、小倉大賞典の好走馬が並んでいる。前回の中山金杯では故障した馬に進路をカットされかかる不利もあったが、スローでスパートを待ちすぎ脚を余した印象が濃い。また、初コースだった中山の急坂も合わなかった。

 今度は丸田恭介騎手も2度目。また、1000m通過61秒3のスローだった中山金杯とは一転、調教でも前半から12秒台で飛ばしたオースミスパーク(10年の勝ち馬)に、小倉巧者エーシンジーライン、JRA全国10場重賞制覇の記録がかかる蛯名正義騎手のコスモファントム(ハンデ頭ゆえ早めに動く)などがいるから、小回り1800mのハンデ重賞らしいきつい流れだろう。前々回の中日新聞杯(小倉)も0秒3差だけ。平坦巧者らしい一変の大駆けに期待したい。

 スマートギアも怖い。最近ちょっと不振のうえ、なぜか小倉にあまり遠征しないが、小倉【0-2-1-0】の巧者。上のワンモアチャッターも、祖母シャダイチャッターもみんな小倉巧者。今回は調教も久しぶりに動いた。

 混戦なので、この3頭の三つ巴を本線に、C.デムーロ騎手のダノンスパシーバ、タフなブロードストリート、そして前出のコスモファントム、エーシンジーラインが連穴。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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