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クイーンC

  • 2012年02月10日(金) 18時00分
【お知らせ】
金曜18時公開の柏木集保『土曜メインレース展望』の次回更新は3月9日(金)になります。2月17日(金)、2月24日(金)、3月2日(金)分は休載となりますので、あらかじめご了承の程よろしくお願い致します。
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 その成績を問わず、2月のクイーンC(1600m)に出走し、やがて桜花賞馬となったのは、なんと1986年のメジロラモーヌ(クイーンCは4着)が最後。もう20数年も前のことになる。また、クイーンCを制して桜花賞馬となったのは、1976年テイタニヤ、1970年のタマミ。史上たった2頭しか存在しない。

 これには、3歳牝馬ゆえ地元の関西馬有利。さらに近年の関西馬の圧倒的な攻勢も関係するが、新馬勝ち直後に楽にここを勝つくらいの素質馬ならともかく、いま絶好調では、4月の桜花賞のころ再び体調ピークはありえないこともある。

 だが、栗東滞在の手法が成立し、輸送や遠征競馬での調整方が進歩したいま、一時ほど桜花賞と、クイーンCの結びつきは希薄ではなくなっている。最近10年では、クイーンCに出走した馬の中から11年ホエールキャプチャ、08年エフティマイア、07年カタマチボタン、06年コイウタ、02年シャイニンルビー、ブルーリッジリバー。計6頭も桜花賞で3着以内に好走した馬がいる。

 阪神JFのジョワドヴィーヴル、シンザン記念のジェンティルドンナがいては、よほどでないと桜花賞の有力馬にはなりえないが、08年エフティマイア(クイーンC6着から15番人気の桜花賞2着)の例もある。関東馬がここをステップに桜花賞に向かうなら、本番で人気薄は必至。伏兵候補からは目を離さないでおきたい。

 注目した阪神JFでは4着にとどまったイチオクノホシに改めて期待したい。パドックではことのほか好状態が目立っていた。絶好のスタートからいったん下げる慎重策。結果はともかくしごく納得の好騎乗だったが、悪いことに流れは1000m通過60秒2のスロー。つつまれてもまれたのはOKでも、初の右回りのためか4コーナー手前でピッチが上がった瞬間、すぐに対応できなかった。

 あっという間に外からジョワドヴィーヴルに先を越されたのは力の差とはいえ、最後、2着アイムユアーズ、3着サウンドオブハートとは0.1秒差。能力全開ではなかった感がある。今度は11.4-11.5-11.5秒の直線で、レース上がりを1.0秒も上回る33.4秒で楽勝した東京コースにもどり、当時のサフラン賞と同じ蛯名騎手。デキは引き続きいい。好勝負だろう。

 種牡馬ゼンノロブロイ(3歳春に1、3、1、1着のあと、ダービー2着)の代表産駒は、どうも扱いが難しくなっているペルーサ、同じくサンテミリオン。さらにはコスモネモシン、アニメイトバイオ…。父と同様、3歳春はいいが、そのあとしばらくは追いかけてはいけない馬ばかりが並ぶが、イチオクノホシ、まだ3歳の2月である。

 同じく東京向きと思えるモエレフルール、遠征してきたヴィルシーナ(父ディープインパクトの産駒は、出走機会のある重賞6連勝中)が強敵。輸送で落ち着いていれば…の素質馬エクセレントカーヴ、オメガハートランド、ミッドサマーフェア、公営のエミーズパラダイス(母は公営所属馬としてアネモネS勝ち)を相手としたい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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