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中山記念・ドバイを前にトゥザグローリー好調

  • 2012年02月23日(木) 18時00分
 東西で3重賞開催! ということで、なんだかワクワクしますね。どれも春のGI戦線に重要な一戦ですが、やはり注目は中山記念。なにしろ、昨年はヴィクトワールピサがこのレースを制したあと、ドバイWCを制覇しましたからね。

 中山記念はスピードと持続力が要求されるレース。その点、トゥザグローリーは父キングカメハメハから持久力を、そして前走の日経新春杯でも見せたスピードなど申し分なく条件を満たしています。それに「小回りコースも大丈夫な器用さを持っているし、母系も底力がある血統」と塩津助手。
トゥザグローリー小回りコースも大丈夫

トゥザグローリー小回りコースも大丈夫



 今週はユーイチを背にCWで、前2頭から離れた後方から追走。そのまま3〜2馬身ほど遅れて最終コーナーへ入ったにもかかわらず、馬体を並べるとあっという間に僚馬を引き離し、最終的には3馬身近く離して先着しました。

 これには「時計のかかる重い馬場で、すごい伸びを見せてくれました。仕掛けてからの反応がいい。(ユーイチが)しっかり気合いを入れてくれましたね」と塩津助手も満足そう。

 昨年の秋から走り続けていますが、疲れもなく馬体にボリュームが出てきたということで、まさに絶好調。最終目標のドバイシーマクラシックに向けて、ここを勝って弾みをつけたいところですよね。

 さて、池江厩舎の取材を終えてトレセン内を歩いていると、ナリタクリスタルが追い切り後の運動しているところに出くわしました。歩様がしっかりしていてリズムよく歩くので、脚運びがとってもスムーズ。カメラを向けると立ち止まってくれました。賢くって可愛い馬ですね。

 昨年の天皇賞・秋以来のレースになりますが、「1月から乗り込んでいるから馬体はキッチリ仕上がっている。だいぶ真面目に走るようになってきたし、反応もいい。あとは気合い乗りだけ」と加藤助手。

本番での気合が鍵、ナリタクリスタル

本番での気合が鍵、ナリタクリスタル

 先週はユタカさんを背に追ったので、今週は田中健騎手が跨ってサッと流す内容。「ここまで順調にきた」と、加藤さんが胸を張る仕上がりですから、期待が高まります。

 レッドデイヴィスは、追い切り前に音無先生が入念に脚元をチェック。「最近、馬場が重かったから…」と先生は気遣います。その重い馬場で先週はオウケンブルースリと併せて半馬身先着。歩様もていねいで安定しており、体調もよさそうです。

「すぐ仕上がるタイプだし、馬体に太め感はない。1800〜2000mぐらいがベストな馬だから、いいところまで行けると思うよ」(音無師)

 今回は強敵相手に名誉挽回といきたいですよね。

 ところで、このレースには僕がズ〜と追いかけているシルポートも出走予定。追い切りは助手さんが乗り、坂路単走で54.3-13.8秒といつもに比べてやや時計がかかった印象。

 でも、西園先生は「短期放牧明けなので乗り込みが浅く、動きが悪いようですが安定はしています。先週、今週とビシッと坂路で追い切ったし、元気があるから大丈夫。あとは、スタートが問題。スムーズに出られればチャンスはあるでしょう」と自信ありな様子。

「前に馬がいると抜かそうとする負けん気の強い性格」と西園先生が評すシルポート。今回も誰にも前を譲らず、逃げにこだわってほしいですね。

 ほかにも応援したい馬がたくさんいて、当日馬券に困ってしまいそうです。でも、中山記念だけでなく、今週の阪急杯もアーリントンCも春のGI戦線につながるだけに、今週はしっかり検討して競馬場に行こうと思います。

 そうそう、GIといえばフェブラリーS。勝ったのはテスタマッタでした。水曜のスタンドで村山先生に「おめでとうございます!」と声をかけると、先生は「やってマッタ」と笑顔で一言。それは、岩田さんが勝利騎手インタビューで言った台詞では!

 ということで、気を取り直して中央GI制覇の感想をうかがいました(テスタマッタで交流GIを獲ったことがあるんですよ)。

「すごくナイーブな馬なので、折り合いが鍵でしたが、上手く乗ってくれましたね。私も厩舎にとっても初タイトルになります。厩舎スタッフもこの勝利で自信をつけ、よりよい馬作りをしてほしいと思っています」(村山師)

 ちなみに、いつもレース前の馬場入りは他馬より先にしていたそうですが、今回はみんなと一緒に馬場に入ったんだそうです。精神的に大人になったことも、今回の勝因だったんでしょうね。

 年明けにはテスタマッタの半弟ダノンクリエーター(牡3、父Half Ours)も勝ち、さらに2歳の半弟Difficultの2010(父Jump Start)も村山厩舎に入厩予定とのことでした。これは楽しみですね。

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1977年8月2日、大阪府生まれ。96年3月に中尾正厩舎所属でデビュー。同期に福永祐一、和田竜二らがいる。96年3月10日、タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビューからの約5か月で12勝をマーク。しかし同年8月、レース中に落馬事故を起こし意識不明に。その後、奇跡的な回復をみせて復帰。03年には中山GJでビッグテーストに騎乗しGIを制覇をする。 04年8月28日、小倉競馬場で行われた豊国JSで再び落馬。レース復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は、栗東トレセンを中心に、精力的な取材活動を行っているほか、えふえむ草津(785MHz)にて『常石勝義のお馬塾』(毎週土曜日9:45〜)に出演中。

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