先週は土曜日にチューリップ賞、日曜日に弥生賞を現地で観戦しました。その時のパドックの様子を回顧しておきます。
【チューリップ賞】
勝ったハナズゴールはギリギリの馬体ながら張り艶良く仕上がっていました。初戦に圧勝した時もそうですが、この日の阪神コースは力が要る状態。そんな馬場状態で今回も凄いパフォーマンスを見せたように、力の要る馬場で強さを発揮するようです。本番も馬場が渋っていれば一発あります。
しかし、見た目以上に走るのは確か。マイケル・タバート氏の持ち馬で、以前に氏と一緒に飲んだ時、私は他の持ち馬のほうを評価しました。走るのは原因があるので、もっと研究を深めていきたいと思います。現時点で思うところは手先の強さでしょう。馬体重も414キロと小柄ですし、大型馬が好走しやすい馬場では普通なら出番がありません。
サンデーサイレンス系のオレハマッテルゼ産駒ですし、馬体の造り的には軽い馬場の方が合っていそうですが、その手先の強さで重い芝を克服できるようです。牝馬は基本的に骨格が軽い造りになっていて、それが牝馬特有と言われる切れを生み出す要因になっているため、なかなか重馬場の鬼的な馬は現れません。今回ジョワドヴィーヴルが敗れたように、ディープインパクト産駒は道悪馬場であまり良くないタイプが多いです。
クラシック戦線は雨で重馬場になることがありますので、今のディープインパクト産駒が多い競馬では、これはかなり大きなアドバンテージになります。特に同コースの桜花賞辺り、雨が降って道悪になるようなら、この馬が一着でゴール板を駆け抜けるシーンもあるかも知れません。逆にパンパンの良馬場なら、現状は割引したいと考えています。
2着のエピセアロームは阪神JF時のデキとは違い、立て直されて出てきました。もともと潜在能力は世代トップクラスのものを持っていますし、これを使って本当に良くなってくれば、その実力を発揮できるはず。掛かるところがあったり、1200mを使った影響で変な癖はついていますが、今から立て直せば先々は大丈夫でしょう。
3着に敗れたジョワドヴィーヴルは、デキこそ悪くなかったと思いますが、休み明けが駄目な感じではあります。今回はパドックで前が大分離れたように、歩くのが非常に遅かったです。また、返し馬ではクビを下げて気負っていました。ただ、動かした時のフットワークはレベルの違いを感じさせるものを持っていますし、、飛節の強さなどには素晴らしいものがあり、一叩きされた本番では当然変わってくるでしょう。ただ、もう一つの敗因としては、力の要る馬場が苦手ということもあると思います。ディープインパクト産駒は全体的に、身体能力の素晴らしさを持っていますが、精神面でのもろさを感じますし、タフな条件では敗れてしまう馬が多いように思えます。昨年のダービーで大敗したトーセンラー、先日敗れたワールドエース、そして今回ジョワドが負けたことを考えるとその傾向が強いようです。
4着のジェンティルドンナは、熱発明けということで明らかに順調さを欠いていました。腹回りの冬毛がボーボーに伸びていたのが印象的でした。体の張りもイマイチ。こんな状態でも4着まで詰めたように能力はある馬ですし、本番での巻き返しを期待できそうです。
5着のスピークソフトリーはトモの筋肉が発達していて、今の馬場が合ったのだと思います。力の要る馬場では侮れない存在でしょう。
【弥生賞】
当日、トリップでぶち込むためにわざわざ競馬場に行きました。しかし、パドックで見るとまだ仕上げが8分程度。それでも内有利の枠順を利して勝ってもおかしくないとは思いましたが、さすがに大勝負はできませんでした。ビシッと仕上がっている権利を獲りたい馬にはかないませんでしたね。しかし、これを使ってグンと上向いてきそうですし、筋肉量や張りが本来のものになれば本番でも勝ち負けできる素材です。
勝ったコスモオオゾラはコマンダーインチーフの肌にロージズインメイという血統で、体型も腹袋が大きくてパワフル。蹄も立っていて、いかにもこの日の力の要る馬場は合った感じです。蹄が大きいですし、逆に時計勝負になると辛いと思います。皐月賞でも、この日のような力の要る馬場状態ならばチャンスは十分あると思います。
3着のアーデントは函館の新馬戦以来見ましたが、当初よりもグンと良くなっていました。ただ、力が要る馬場が向いたことも確かです。
5着のエキストラエンドは外枠が仇に。条件が合えばもっとやれるでしょう。ただ、時計勝負は厳しいタイプだと思います。
6着のフェノーメノはステイゴールド産駒にしては大柄で、ツナギも寝ているので器用さがありません。東京コースで見直したいところ。
7着のメイショウカドマツはボリュームたっぷりの馬体で、良くなっていましたが、ゲートで遅れたのが残念。行けましたが、本来の走りはできなかったでしょう。力の要る馬場やダートの走りも見てみたいですね。
8着のアダムスピークは、前予想段階で外枠を引いたので軽視していましたが、当日は非常に良い馬体を見せていました。絞れてきて、本来のシルエットがようやく出てきました。ツナギが立っていて筋骨隆々なので軽い馬場は向きませんが、力の要る馬場ならかなりの能力を感じます。中山コース自体は向きますし、本番は見直す必要があります。
【次走の注目馬】
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トリップ休み明けで張り不足の体付き。ボリューム感が出てくれば皐月賞でも勝負。
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タツミリュウ栗東入厩で馬が変わっていた。次走も注。
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スティルゴールドかなり良くなっていたし、もう少し軽い馬場なら巻き返しが濃厚。
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ナイスミーチュースローペースで包まれて仕掛けが完全に遅れた。スムーズなら勝てる。
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メイショウヴァルナ今回は内で包まれて何もできず。軽い前残り馬場という条件が引き続きかなえば。