新装・中京競馬場2週目のファルコンSは短縮の3頭で決まった。開催が進んで外が伸びやすくなり、ペースが速くなれば、次第に短縮の差しも決まる馬場になっていくことを示唆した結果とも言えるが、それより気になる点があった。それは2着の12番人気レオンビスティー、3着の3番人気サドンストームが、間隔の開いた短縮だったことだ。
この時点の中京は、以前から見てきたように間隔を開けてリフレッシュし、前へ進もうとしている意欲を持った短縮馬が激走しやすい馬場状態と考えられる。本質的な追い込み馬だと、レースの流れに入れず、加速したときには既に間に合わないというパターンが多いのだ。
1着のブライトラインは先行して掛かり気味に前に行き2連勝した馬だし、2着のレオンビスティーは2走前に今回より1ハロン短い芝1200mのハイペースを先行して勝っている。また3着のサドンストームも1200mを逃げて初勝利を挙げた馬だ。そういう先行しようと思えばできる馬が、差しに回るとよりプラスに働きやすい馬場なのである。
これを利用して本命にしたのが、翌週の3R(2012/3/25、芝1600m)のカロッサルだった。レース間隔が開いていての短縮。しかも前走がダート。現在の中京芝における好走条件を綺麗に満たしていたためにきっちりと1着した。このような馬がいれば積極的に狙っていきたい。
先週の高松宮記念も、サンカルロはパワー型の差し馬で、いかにも今の中京芝はピッタリの馬なのに、短縮で前を捉えきれずに2着に終わった。本質的な差し馬の短縮に関しては、勝ちきれないケースは常に念頭に置いて馬券を買った方がいい馬場と言える。したがって、単勝ではなく買うのなら3連複のほうがいいだろう。
話は変わるが、以前サンカルロの話をしたとき、ゆいいつ芝1200mのGIで崩れたのが同距離の昨年のスプリンターズSだったと解説した。あのとき陣営が「前走で1200mの流れに慣れさせたから、今までのGIより走りやすい」という旨の発言をしてズッコケたという話をしたわけだが、私の原稿でも読んだのか(笑)、今回は阪急杯を使って短縮のステップをしっかり踏んできた。
馬にとって、これまでのレースで蓄積された記憶の連続が、いかに重要かということをサンカルロの成績は如実に物語っている。ただ、ステップの取り方は理想だったのだが、皮肉なことに中京の馬場自体が長めの距離の本質的な追い込み馬の短縮だと勝ちきれない仕様になっていたというわけである。なんとも運がなかった。
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