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まだ見えぬ新星

  • 2003年02月12日(水) 13時25分
 牡馬クラシック戦線は、いつになったら視界がはっきりするのか。共同通信杯が終っても、これぞ新星と呼べるものが見つかりません。朝日杯FS4着馬タイガーモーションが最後の切れを欠き5着に終り、これに先着した4頭も、今度もう一度対戦したらどうなるか。とにかく混とんとする中、ラントゥザフリーズに騎乗した大井の内田博幸騎手の気迫だけが印象に残りました。

 騎手の手腕、こういう状況の中、案外それが一番ものを言うのかもしれません。

 朝日杯組のマイネルモルゲンは、抑えたくても我慢できない気性の幼さが消えず、そのうしろにいたラントゥザフリーズ、タカラシャーディーが平均ペースに乗って最後はせり合い、これに、前走4戦目で未勝利戦を勝ったばかりというリワードシンバルが加わるという経過では、とても、今後を強調できるものではありませんでした。

 シンザン記念のサイレントディール、京成杯のスズカドリーム、そして共同通信杯のラントゥザフリーズと勝ち馬を並べてみて目新しさを感じるのは、未勝利を勝ったばかりで朝日杯3着馬テイエムリキサンにせり勝ったスズカドリームくらい。きさらぎ賞でもう一度サイレントディールがまともに走って勝つことでもあれば、重賞連覇という看板でようやく一歩前進ということにはなるでしょうが。もっとも、キャリア一戦で、シンザン記念のゴール寸前サイレントディールに迫ったマッキーマックスという存在もあり、結局は3月に入って弥生賞まで皐月賞戦線の下馬評は立てにくいと言うことです。

 朝日杯1、2着のエイシンチャンプ、サクラプレジデントが弥生賞を予定しているということですが、ここの3、4着馬の苦戦ぶりから果してどうなのか、全幅の信頼とまではいきません。もつれにもつれて、なんとか皐月賞ということであれば、その先のダービーの行方なんてとても予測できません。

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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