マイラーズCはこれまで阪神で施行されていましたが、今年から舞台を京都に移して行われます。そのため、レースに京都名物の坂越えが加わり、スピードのほか騎手の手腕も問われることになりました。
さて、やっといい陽気になってきた栗東トレセン。追い切りは絶好のお花見日和に行われました。そんなトレセンスタンドに「よし、よし。いいぞ!」との声が。そこには、双眼鏡でシルポートの走りをチェックする西園先生の姿がありました。
![普段マイペースなシルポート](https://cdn.netkeiba.com/img.news/style/netkeiba.ja/data/tsuneishi/120419_01.jpg)
普段マイペースなシルポート
昨年のマイラーズC勝者は今年で7歳。前走の中山記念では場内がざわめくほどの大逃げをして2着するなど、先生が「元気だよ〜。この年齢で、あんなレースのできる馬は、ほかにいないだろうね」と自慢するほど状態良好です。
その前走、「あとチョットのところで交わされたのは残念だった」と振り返る先生。しかし、あの走りでシルポートの強さを改めて感じた人は多いはず。図らずも、今週末は雨予報で前走同様、重馬場となりそうです。
先生は「シルポートは渋った馬場も大丈夫だから雨は好都合。それにパワーがあるから、少しぐらいペースが速くなっても頑張れる。開幕週の京都の馬場を逃げ切りたいね」とコメント。
また、担当の松尾持ち乗り助手は「怖がりなところがあるんだよね。でも、自分のペースで走ると強いレースをしてくれるから楽しみだよ」と話してくれました。やはり、得意の一人旅に持ち込めるかが鍵でしょうか。どれだけライバルたちを引き離すのか注目ですね。
また、同じ西園厩舎のコスモセンサーも、ニューイヤーCを連覇するなどマイル戦線で活躍中です。
追い切り後に幸騎手は「スピード感はあるし、息の入れ、脚さばきもいい。それに、ここ3週は負荷をかけて追ったので、キリッと引き締まった馬体になってきた。引き続き好調キープだよ」と笑顔で答えてくれました。
僕が見た感じ、センサーはいかにもマイル馬。まとまった馬体には張りがあり、バネがありそうです。担当の平田持ち乗り助手も渾身の仕上げを施しています。センサーも前に行きたいでしょうし、どんなレースをするのか。しかし、同厩舎にライバルがいるってすごいですよね。
![秋のマイル王、エイシンアポロン](https://cdn.netkeiba.com/img.news/style/netkeiba.ja/data/tsuneishi/120419_02.jpg)
秋のマイル王、エイシンアポロン
が、最大のライバルはマイルCS覇者エイシンアポロンでしょう。水曜の追い切りは池添騎手を背に坂路単走。51.6-12.5秒で坂を駆け上がった姿は、柔軟生があって脚運びもスムーズでした。
中山助手は「ちょっと、太めかな。久々のレースだし、目標は安田記念だからここは余裕残しで80%の仕上げにしているんだ。それでも、3週つづけてビッシリやり、先週の1週前追いは5F52.5秒だったんだから十分。馬体も四角く綺麗にまとまっているし、大人になって乗りやすくなってきたよ」と話してくれました。
筋肉痛のため中山記念、ドバイ遠征を回避した影響はまったく感じられず、万全の態勢で今年緒戦に臨むアポロン。舞台はGIを制した得意の京都マイルですから、これは期待がふくらみます。
トーセンレーヴの追い切りはピンナ騎手を背にCWで3頭併せと、気合いの入った内容で行われました。併せたトーセンジョーダンに2馬身ほど遅れたものの、脚取りはしっかりしており動きも上々。
跨ったピンナ騎手は「レースでは折り合いが鍵になると思っているので、差す競馬のイメージを持って乗りました。じっくり乗り込まれてきたから、タメを効かせで折り合えば見込みはあります」とコメント。また、池江先生は「距離もですが、コーナーが2つというコースは、この馬に合っていると思いますよ」と期待を込め話してくれました。初タイトル奪取の期待がかかります。
![マイル王復権を狙うグランプリボス](https://cdn.netkeiba.com/img.news/style/netkeiba.ja/data/tsuneishi/120419_03.jpg)
マイル王復権を狙うグランプリボス
さてマイル巧者が揃ったこのレースで、僕が気になっているのはグランプリボスです。
小林慎一郎騎手は(レースは内田博幸騎手)、「先週はまだ、動きも息の入りも物足りない感じがしました。でも、今週は坂路でビッシリやって53.7-12.6秒といい時計でしたし、動きもよかったですよ。レースでは道中じっくり脚をタメて、爆発力のある脚を見せてほしいです」と話してくれました。
馬体は全身パワーみなぎる感じ。筋肉の輪郭がハッキリ見え、特に肩はモコモコ筋肉が盛り上がっています。今回の鞍上は、先週皐月賞を制したばかりの内田騎手ですし、マイルタイトル奪還を目指して頑張ってほしいですね。