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かしわ記念

  • 2012年05月01日(火) 18時00分
かしわ記念(5月2日 船橋 サラ4歳以上 定量57kg jpnI 1600m)

「かしわ記念」は、平成8年から交流G昇格。8〜13年=GIII、14〜16年=GII、17年〜=現在のGIへとグレードを上げている。実質今年が第17回目。特筆できるのは、交流G大半が“JRA優位”で流れてきた中このレースだけ例外で、JRA=10勝、南関東=7勝、ほぼ互角に渡り合ってきたことだろう。地元船橋、そのプライドといってもいいと思う。代表格は、アブクマポーロ、トーシンブリザード、アジュディミツオー、そして現役フリオーソ。例年通りJRA勢に駒がそろった今回だが、レースの歴史と伝統を味方に一角崩しを期待したい。1つポイントは馬場状態。近年重い(時計がかかる)船橋コースだが、先週末から相当量の降雨があった。一転高速馬場になるのかどうか。先行フリオーソに関していえば、昨年(1分38秒2)同様、パワー優先の馬場がベターと感じる。

(1)…上位拮抗。1番人気[4-2-1-3]、2番人気[3-2-2-3]、3番人気[1-1-4-4]。必ずしも堅くはないが、大波乱も総じてない。絶頂期のマイラーは信頼できる。

(2)…JRA対船橋。JRA=6勝、2着5、船橋=4勝、2着5。3着もJRA9、船橋1で、大井、川崎、浦和、さらに地方他場所所属馬も馬券の対象になっていない。

(3)…熟年馬。4〜8歳まで好走実績があるが、トータルで一歩リードは、3勝、2着4、3着4の6歳馬。4歳馬は3勝があるものの確率でやや落ちる。それなら2勝、2着3=の7歳馬。

(4)…好位差し。逃げ=4、先行=4、差し=11、追込=1。逃げ馬は抜けた力がないと苦しく好位〜中団からの差しがやはり主流。他データでは川崎記念優勝馬=2、1、2、1着が特筆できる。

※データ推奨馬
◎ランフォルセ…今季本格化したJRA6歳馬。マイラーのイメージは薄いものの、現実に千六[1-2-0-2]。昨夏函館千七ではテスタマッタに完勝している。かつてホクトベガなど、元より地方競馬場Gに実績と自信がある横山典騎手。

       ☆       ☆

◎ランフォルセ    横山典
○テスタマッタ    岩田
▲フリオーソ     戸崎
△クリーン      本橋
△エスポワールシチー 佐藤哲
△シルクフォーチュン 藤岡
△ピイラニハイウェイ 川田

 ランフォルセに期待した。データ欄で記した通り、今回適条件がそろっていること、前2走地方G参入で大きな新境をみせたこと。もう1つ、記者個人的には同馬の馬体、走法など、強く惚れてしまったことにある。柔らかでしなやか、何とも気品あふれる馬体が印象的で、返し馬など、スピードに乗って重心が低く沈む。キャンターの躍動感が素晴らしい。

 さておき前走「ダイオライト記念」はひとこと戦闘的な競馬だった。前にフリオーソ、後ろにワンダーアキュート。重苦しい馬場を2番手から強気に動き、それでいていい脚を長く使った。父シンボリクリスエス。同産駒サクセスブロッケンとよく似たパワー兼備の快速型と判断できる。今回気持ち忙しいイメージの千六も、現実に4戦2勝、2着1。加えて昨夏函館「マリーンS=千七」をテスタマッタに完勝だから、まったく減点にならないだろう。めざすは距離万能のダート王。心身ともいよいよ旬だ。

 テスタマッタは、前走「フェブラリーS」で3年越し(大井JDダービー以来)のGI2勝目。体調と気性、揺れが大きい反面、ここ一番の爆発力は健在だった。大仕事を終えた直後、どこか買いづらいムードもあるが、左回り千六は条件ベスト。ごく素直に考えて○印以下には落とせない。フリオーソは今回▲とした。最強牝馬ラヴェリータをねじ伏せた昨年V。上積みはともかく完全燃焼できる舞台で、この組み合わせなら展開面も恵まれそうだ(単騎逃げ)。07年、ブルーコンコルドの2着したアジュディミツオーとイメージがダブってくる。

 このレース2勝エスポワールシチーはスピードと切れ、年齢相応の翳りがあり、フェブラリー2着シルクフォーチュンは、本質的にJRA高速馬場向きのタイプととれる。それならJRA5勝、前走船橋初戦でコース適性(オープン千六を5馬身差圧勝)を示したクリーンに食指が動く。600kg超の巨漢、ホワイトマズル×ニジンスキーの血統背景。パワー優先の馬場なら善戦以上の期待も浮かぶ。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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