大波乱の春の天皇賞を制したのはミスキャスト産駒のビートブラックでした。1番枠で先行ということで警戒はしていましたが、まさかあの形で勝つとは思いませんでした。前残り馬場、圧倒的人気馬の後方待機など、好条件が重なっての勝利でした。ネオユニヴァースなどが惨敗し、イングランディーレが逃げ切ったレースを思い出しましたね。あの時も人気馬が皆後方からの競馬でした。特に京都の外回りコースでこのようなレースが多いですし、今後同じようなケースがあれば、ちゃんと先行馬の単勝は買っておきたいと思います。
ビートブラック今後のレースも注目
当のビートブラックですが、状態は良かったと思います。このような形でG1を勝てたのは大きな収穫ですし、今後のレースにも注目しなければならないでしょう。
2着のトーセンジョーダンは、状態がかなり上向いていました。ただ、体型的にはやはり中距離がベストなので評価は下げました。上体は筋肉がしっかりとついていて、ジャングルポケット産駒らしく脚は細めなので、軽い馬場、力のいる馬場共に対応することができます。昨年は結果が出ませんでしたが、今年の状態なら宝塚記念でもチャンスは十分でしょう。
3着のウインバリアシオンはすっきりとした仕上がりでした。脚長で関節に良い意味での緩さがあるので距離も合います。ただ、あの位置からではさすがに届きません。
4着のジャガーメイルはビッシリと仕上がっていて、一昨年勝った時に近いデキはあったと思います。ただ、筋肉の張りという点では良い時に比べると一息。年齢的にも全盛期の活躍を期待するのは酷かもしれません。レース後、骨折が判明したようです。
5着のギュスターヴクライはボリューム感満点の体付きで、非常に良いデキだったと思います。向正面で上がっていこうという時にバテた馬を交わす時に不利がありましたし、直線では蹄鉄がずれていたとのこと。力負けではなさそうです。体型的にステイヤーというわけでもなさそうなので中距離戦線でも活躍できると思います。
7着のゴールデンハインドはデキの良さが目立ちました。長丁場なら安定して走れそう。
オルフェーヴルの惨敗は精神面
11着に敗れたオルフェーヴルですが、結果的には元気がなかったのかなと。体は迫力こそ感じませんでしたが、キッチリできていましたし、精神面によるところが大きいかと思います。前走であれだけのことをやらかしてしまったので、おとなしくさせることに留意した結果、おとなしくなり過ぎたのかも。いつものパドックではもっともっと気合いを表に出して力強い歩様を見せる馬が、外こそ回っていたもののいつもの力感溢れる歩きではありませんでした。返し馬でもステイゴールド産駒らしく掛かっていくくらいの感じの方が良いようです。当然能力は高いので、精神面で切れてさえいなければ、次走は巻き返すでしょう。
【次走の注目馬】
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トーセンジョーダン今回はベスト条件ではなかったが、それでも強い競馬を見せた。次走、宝塚記念辺りなら期待。
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ギュスターヴクライ長距離よりも中距離の方が合いそう。馬体はトップレベルに近いところまできている。
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ゴールデンハインド素晴らしいデキだった。目黒記念など長めの重賞に出てくれば注目。
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フェイトフルウォー好馬体。もっと時計が掛かる馬場の中距離なら。
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ヴィンテージイヤー結果として距離が長かったか。距離短縮で軽い馬場なら。
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