今週から東京競馬場では、5週連続GIがつづきますね。その第一弾であるNHKマイルCは、いつになく強い馬が揃いました。
そのなかで1番の注目は、なんといってもカレンブラックヒルでしょう。鞍上はもちろん、秋山騎手。水曜の追い切りにも跨り、CWで3頭併せ。外から僚馬を1秒以上追走し、その差は直線に入っても約3馬身ほどついていました。しかし、相手が少し手綱をゆるめ馬体が並ぶと一気に加速。軽快な脚取りでアッという間に抜き去っていきました。タイムは81.1-65.7-51.6-38.4-12.0秒と不良馬場で申し分ないもの。
![カレンブラックヒル軽快な脚取り](https://cdn.netkeiba.com/img.news/style/netkeiba.ja/data/tsuneishi/120503_01.jpg)
カレンブラックヒル軽快な脚取り
![秋山騎手「最後の脚にかける」](https://cdn.netkeiba.com/img.news/style/netkeiba.ja/data/tsuneishi/120503_02.jpg)
秋山騎手「最後の脚にかける」
秋山騎手もこの内容に自信を深めたようで「思ったとおりの競馬ができる馬。だから今回も中団での競馬をし、最後の脚にかけますよ」とレースへの豊富を語りました。
秋山騎手は、僕の競馬学校の1年後輩。学校生の頃から外国人騎手のような、肩に力のあるダイナミックな騎乗フォームで格好良かったんです。「あんな風に乗りたい」と常々思っていた僕は、できない自分にもどかしさを感じていました。また、お父さんも騎手だったので、自身も競馬に対して研究熱心でしたね。
ブラックヒルを担当しているのは西口厩務員。実は平田+秋山+西口トリオで臨むクラシックは2度目。そう、ベッラレイアも西口さんの担当だったんです。西口さんはベッラでのオークスを「ゴール寸前でハナ差負け。際どい勝負だっただけに悔しかった」と振り返ります。
雪辱を果たすべく、西口さんはブラックヒルに渾身の仕上げを施しました。「この馬は男前なんだよ。顔はもちろん、競馬センスも性格もみ〜んな男前。鞍上も男前だし、ベッラのトリオでもう1個獲らせてほしいよね」と西口さん。
先週のビートブラックにつづき、今週もブラックのつく馬が勝つかも!? その走りに注目です。
さて、毎週のように重賞戦線を賑わす池江厩舎から出走するのはマウントシャスタ。追い切りには、今回初コンビとなる岩田さんが先週につづいて騎乗。坂路でインバルコと併せ、残り1Fで相手をグッと引き離すと、最後は3馬身先着と力強い走りを見せました。
![マウントシャスタ東京で末脚爆発!](https://cdn.netkeiba.com/img.news/style/netkeiba.ja/data/tsuneishi/120503_03.jpg)
マウントシャスタ東京で末脚爆発!
岩田騎手は「シャスタの背中は落ち着いていて乗りやすいよ。体全体を使って走るんだ。この馬の末脚はよくわかっているから、シャスタの気分に逆らわず直線で勝負したいね」と語りました。岩田さんの感触では「右、左回りどちらも問題ない。不良馬場も大丈夫」とのことですが、前走の毎日杯は重馬場…。
この前走を池江先生は「一気に抜け出して、そのまま押し切れるかと思いました。しかし、ゴール寸前でかわされ2着。抜け出してから、少し内にもたれる。まだ幼い面があるんですよね」と分析。敗因は馬場ではなくて、成長途上のためということですかね。
先生が「体型、タイプは違うが瞬発力はワールドエース級」と表する同馬。東京の長い直線で、あの末脚爆発の走りが見られるか楽しみです。
ジャスタウェイはここを勝ってダービーへ向かう、変則二冠を狙っています。風邪のためニュージーランドT回避しましたが、その後順調に調整されてきました。
前走のアーリントンCは、スローな展開のなか差し切ったすごいレースでしたよね。あれには乗っていた福永騎手も驚いたようで「直線だけで12頭をゴボウ抜きだからね。たしかに、後方からの競馬のほうが、この馬に合っていると思っていたし、それで大外を回ったわけだけど、豪快に伸びてくれたね〜」と語りました。
「後方から行ったからこそ、あの脚を引き出すことができた」とユーイチ。その結果から「直線の長いレースは得意なはず」と自信をみなぎらせます。
また担当の榎本助手は「NZTの回避したことがよかった」と言います。先のある馬ということで無理をしなかったことが、成長をうながしたようです。馬体に張りがあり、脚運びもスムーズでいい動きをしていました。
同厩のゴールドシップは皐月賞に勝利。ジャスタウェイもここを勝ち、一緒にダービーへと駒を進めたいところですよね。
![オリービン、ライバルはクラレント](https://cdn.netkeiba.com/img.news/style/netkeiba.ja/data/tsuneishi/120503_04.jpg)
オリービン、ライバルはクラレント
さて、今週の僕の気になる1頭はオリービン。前走NZTは大外枠で出遅れ、後方の位置取りになり、直線大外を回ることに。それにもかかわらず4着と健闘。
追い切りには川田騎手が乗って坂路を単走。外ラチ沿いにチップを蹴り上げながら駆け上がる姿には迫力がありました。先週は坂路一番時計も出していますし、体調は万全。
橋口先生は「府中のマイルは合っていると思うよ。ライバル? 同じ厩舎のクラレントだよ(笑)」とにこやかの語ってくれました。たしかに、2頭ともコンパクトな胴で背中からクビにかけてのラインがスッキリしており、マイル向きの体型をしています。とくに、オリービンは近走1600m戦を走ってきただけに、ここは一発やってくれそうな気配。期待が高まります。
さて、NHKマイルC当日はゴールデンウィーク最終日。せっかくですから、お弁当を持って競馬場で観戦してはいかがでしょう。きっと、気分がいいですよ。では、楽しい週末を!