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マルセリーナが猛稽古を決行!

  • 2012年05月10日(木) 18時00分
 先週のNHKマイルCでは、カレンブラックヒルが自らレースを作っての逃げ切り勝ち。平田厩舎、秋山騎手はともに初GI制覇。そして無敗のGI制覇は98年のエルコンドルパサー以来、14年ぶりのことでした。このコラムに、先週秋山騎手に登場してもらったので、先頭でゴールに飛び込む秋やんの姿を見たときは嬉しかったですね〜。

 その秋やん曰く、現在の東京の芝は「速い」ということです。また、東京マイルはコーナーが2箇所あります。このあたりが、ヴィクトリアマイルで東京競馬初参戦のオールザットジャズにとって重要なポイントとなりそうですね。

藤岡佑介騎手GI初制覇へ

藤岡佑介騎手GI初制覇へ

 鞍上の藤岡佑介騎手は「中山牝馬Sでは、後方からの苦しい展開となりましたが2着に食い込みました。終いの脚を、よく使ってくれましたね。また、福島牝馬Sではうまく立ち回り、理想の競馬をすることができました」とコンビを組んでの2戦を振り返りました。

 その福島牝馬Sの勢いもそのままに、現在の状態は素晴らしく「中間の追い切りも、自分からすいすい動いてくれました」(藤岡佑騎手)とのこと。今週はCWコースで3頭併せ。

 最後方から前2頭を追いかける形で始めましたが、最後1Fを過ぎても藤岡騎手は動かずタメの姿勢。しかし、ようやくといった感じで仕掛けると、そこからは全身を使ってグングンと前との差を詰め、最後は1F11.6秒で半馬身先着しました。

  角居先生は「気負い過ぎず、いい走りをしていました。体に芯が入ってきたように思いますね。いい状態をキープしています。関東への輸送経験はありますし、左回りも大丈夫。飼い葉もよく食べていますし心配はありません」とのこと。

 その馬体からはどっしりとした大物感がただよい、胸前の筋肉がゴツゴツして感じるほどになっていて確実にパワーアップしている様子。厩舎の先輩馬ウオッカも、ここを勝っており、陣営は「ウオッカにつづけ!」と頑張っています。東京の長い直線で、あの末脚が見られるか楽しみですね。

 また、マルセリーナが久々のGI制覇を狙って、ここに出走してきます。

 ここにきて、着実に成長してきているとのことで、担当の大當助手は「これまで、もどかしいレースがつづいたよね。冬毛が早い時期から出て動きは鈍かったし…。でも、最近は無駄肉がなくなり、筋肉もパンとなってきたよ。飼い葉もよく食べ、食べたら食べたぶんだけ筋肉になるんだ。走れる体になってきているよ」と満面の笑みで話してくれました。

 水曜はCWで、やや変則的な追い切り。まずはベストクルーズと馬体を併せる形でスタートし、最初の1Fを越えるとやや加速。さらに4コーナーにさしかかると、前を走る2頭の僚馬が加わりました。その迫力は本番さながら。最後は4頭併せのような態勢になるも、手綱をゆるめるとマルセリーナは体を沈み込ませて一気に加速。1馬身先着しました。

 松田博先生は「テンよし、終いよしの内容。重心も低く、伸びもあった」と大満足の様子。これなら、桜花賞以来遠ざかっている勝ち星奪取の可能性もありそうです。

ドナウブルー、姉妹GI制覇なるか

ドナウブルー、姉妹GI制覇なるか

初GIを狙うレディアルバローザ

初GIを狙うレディアルバローザ

 ドナウブルーも、ここに来て精神面が落ち着いてきましたね。石坂先生は「もともと学習能力が高く、素質のある馬なんだけどね。警戒心が強いんだよ。この馬は馬体重で調子が分かる。輸送で何キロ減になるかが鍵だね。でも、今のところ飼い葉はよく食べているし、馬体重は増えているよ」と話してくれました。

 石坂厩舎ではドナウブルー、ジェンティルドンナがお隣同士の馬房。妹が先日桜花賞を制しただけに、姉としても大きなタイトルが欲しいところですよね。

 さて、昨年のこのレースで3着しているレディアルバローザ。今年もユーイチを背に参戦します。ユーイチは「僕の思いを分かってくれる賢い馬」と絶賛していましたよ。また、笹田先生は中山牝馬Sの勝利は「ユーイチのファインプレーのおかげ」と鞍上に絶大な信頼を置いています。

 前走の阪神牝馬S後は少しゆっくりさせ、先週から追い切りを開始。今週は終い重点の内容で最後の1Fを11.2秒となかなかの仕上がりを見せています。

「昨年3着しているんだから、レース条件はいいはず。輸送も問題ないし、速い馬場で勝負したいね」と笹田先生。アルバローザの重賞は、すべてユーイチの手綱によるもの。ここらでGI制覇といきたいですよね。

 最後に僕の気になる1頭、エーシンハーバー。藤岡健一先生は、息子の佑介騎手騎乗のオールザットジャズには「負けられない」と気合いが入っています…が「あの馬、強いよね」と息子の馬の話しをするときもニコニコしていました。

 仲田助手は「状態は右肩上がり。気分も乗ってきています。ポイントは折り合いでしょうか。いいスピードを持っているので楽しみです。ユタカさんの手綱さばきにも期待しています」と話してくれました。

 東京マイルでの乙女たちの戦い、目が離せませんね!

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1977年8月2日、大阪府生まれ。96年3月に中尾正厩舎所属でデビュー。同期に福永祐一、和田竜二らがいる。96年3月10日、タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビューからの約5か月で12勝をマーク。しかし同年8月、レース中に落馬事故を起こし意識不明に。その後、奇跡的な回復をみせて復帰。03年には中山GJでビッグテーストに騎乗しGIを制覇をする。 04年8月28日、小倉競馬場で行われた豊国JSで再び落馬。レース復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は、栗東トレセンを中心に、精力的な取材活動を行っているほか、えふえむ草津(785MHz)にて『常石勝義のお馬塾』(毎週土曜日9:45〜)に出演中。

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