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京王杯スプリングC

  • 2012年05月11日(金) 18時00分
 改修されて現在と同じ形態のコースになって以降、2004年の1分20秒4を出発に、2005年が1分20秒3、2007年に1分20秒0。そして2010年が1分19秒8。少しずつ4回もコースレコードが更新されている快速重賞。今年もまた、今週から内ラチが3m外に寄ったBコースで行われる。

 当然、速いタイムの決着があって不思議ないが、今季の東京の芝コースはそれほど高速馬場ではない印象もある。また、最近は、知られるように東京1400mは思われるほどペースが上がらないレースが増えている。6歳ジョーカプチーノ、7歳スペシャルハートあたりがペースを作る候補だが、ともに以前ほどムキになって行くレースはしていないから、1400mのわりには「ハイペース」にはならない公算大と考えた。

 そうすると、推定勝ちタイムは、1分20秒5前後か。ただし、ここ2年連続してレース上がりは「33秒8-9」。流れが速くならない代わり、今年はレース上がりが一段と速くなりそうに思える。まず有利は、もともとがスピード系の先行タイプ。そして、楽に追走できればその方がいい「切れる」タイプとしたい。

 伏兵エーシンホワイティ(父サクラバクシンオー)に期待した。前回の中山1200mは、中山1200mではまずめったにないが、レースバランス「34秒4-34秒0」。前半が下り坂に近い中山1200mとすれば、前傾ではない特異なペースだった。このとき内枠で出負けしたのがエーシンホワイティ。レース上がりが34秒0だから、先行=好位勢はみんな残っている。だが、最後方から外に回って進出したエーシンホワイティ(公営の森泰斗騎手)は、「11秒4-11秒3-11秒3」のラップが刻まれた高速上がりの競馬を、自身の上がり「33秒1」。大外から直線一気。まとめて差し切ってしまった。同馬は、後半2ハロンは連続して10秒台だったろう。

 楽に追走できたから、たまたま「はまった」ことは否定できない。森泰斗騎手と絶妙にリズムが合ったことも事実だが、芝1200mで2回もレコード勝ちしている本質スピード型の真価がフルに爆発したことはたしかである。引き続き状態はいい。

 芝1400mは2戦。1分20秒0の2着を記録したときが、自身の上がりは33秒0。5走前に1分21秒2で2着した際の上がりは32秒9。ともに京都のスローペースだった。ゆるい流れ歓迎である。

 そういうタイプに追走が楽になりそうな今回は、相手は強力でも、流れは理想的になる可能性が大きい。この切れは母の父サンデーサイレンス譲り。また、タレンティドガールの孫にあたるこの馬、馬名からは連想しにくいが、安田記念を逃げ切ったニッポーテイオーの一族。日曜のヴィクトリアマイルに出走する同じ一族のホエールキャプチャは、その母がエーシンホワイティと「いとこ」になり、4代母がタレンティドガールである。非力どころか底力十分と思える。

 今回もデキ絶好。1400mのここに全力投球が当然のサンカルロと、この春3戦目、明らかに本来のスピード感ある動きを取り戻しているジョーカプチーノが強敵。

 オセアニアボス、ヤマカツハクリュウ、グランプリボス、デキの良さが光るレオプライムを連の相手に加えたい。ストロングリターンは、昨年の絶好調時にはまだないと思えるので、オッズしだいの押さえにとどめたい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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