川崎マイラーズ(5月16日 川崎 サラ3歳以上 別定 南関東SIII 1600m)
川崎マイラーズは、平成21年新設SIII。交流Gかしわ記念、さきたま杯のちょうど中間に施行され、超A級の出走はこれまでない(おそらく今後も)。前3年とも「小回り千六スペシャリストVS上昇馬」がテーマになり、実際、21年ノースダンデー→マンオブパーサー、22年イーグルショウ→サプライズゲスト、23年ザッハーマイン→ディアーウィッシュ……の結果にも、その傾向が強く出ている。
ただ今年は顔ぶれが正直寂しい。イーグルショウ、ディアーウィッシュら円熟組の出走はあるものの、上昇馬、成長株が見当たらない。例えば今回、4歳ピエールタイガーが除外(賞金不足)になった。このことは、重賞レースの優先出走権、そのシステム(規定)自体に大きな問題があると思う。
同馬は昨夏道営三冠レースの1つ北海優駿を勝ち、岩手交流・ダービーグランプリも2着している。さらに今季1月から川崎1600mを3連勝。それがなぜ、すでに数年間勝ち星のないような馬に弾き出され、除外されなければならないか。規定見直しが必要であり不可欠だろう。
「過去1年間1勝以上」「重賞3着以内」などを(優先)出走条件とすること。そもそも今回フルゲート14頭、4歳馬が1頭もいないこと自体、異様な番組というしかない。そしてこれは、もちろん馬券の売り上げにも影響する。
(1)…波乱含み。1番人気=1、9、1着、2番人気=4、1、14着、3番人気=8、3、2着。ザッハーマイン(単1.6倍)完勝の昨年も、3連単75・.8倍だから堅くはな
い。
(2)…船橋優勢。船橋=2勝、2着3回、3着2回。この路線は船橋所属馬の層が断然厚く、21年などワンツースリー独占だった。他は大井=1勝、川崎=3着1回。
(3)…好調馬。過去3年、優勝馬の前走はすべて?着(つまり連勝)。良=1分39秒台、重=38秒台の高速決着で先行有利。連対6頭はすべて四角3番手以内に上がっていた。
※データ推奨馬
◎ディアーウィッシュ…昨年2着。牡8歳、船橋所属の熟年マイラー。逃げてよし、2〜3番手から差してよし。前走地方交流・房の国オープン、2着だから状態にも胸が張れる。先週大井で大ブレイクした今野J。
☆ ☆
◎イーグルショウ 57森
○ディアーウィッシュ 57今野
▲カキツバタロイヤル 57石崎駿
△マグニフィカ 59杉村
△シーズザゴールド 59真島
△ルクレルク 57戸崎
△クレイアートビュン 58吉原
ウツミランカスター 57坂井
ヴァイタルシーズ 57酒井
イーグルショウにもうひと花を期待した。一昨年このレースVは、当時絶好調、軽量53キロで快調に飛ばしたサプライズゲストを徹底マーク、ゴール寸前ねじ伏せたもの(首差)。軽い馬場にせよ千六1分38秒5はきわめて速く、現実に3着クレイアートビュンはそこから3.1/2馬身水が開いた。
イメージは波の大きい差し馬だが、どうして好調期はテンから俊敏に動き、しかも最後競り合いにきわめて強い。父スエヒロコマンダーはJRA重賞2勝、8歳まで活躍したコマンダーインチーフ産駒。イーグル自身も、前々走大井の東京スプリング盃、フジノウェーブの3着など、まだまだ活気を残している。前述通り今年は上昇馬不在。川崎[3-1-1-1]の適性があれば、高齢うんぬんは不問にできる。
同じく8歳ディアーウィッシュにも条件がそろった。マイル重賞3勝。時計、レースぶり(ジリ脚の先行型)から、実績ほどのインパクトはないが、反面、常に適材適所で能力を出し切り、出川克巳厩舎らしい頼もしさ(堅実味)を感じさせる。父クロフネ、ひとことダート・マイル〜中距離路線で息の長いタイプだろう。
▲カキツバタロイヤルは気配重視。前走、金盃8着は、テン乗り、経験の浅い高橋利Jを配した時点で、体調ひと息、手探りが本音だったか。大井のサンタアニタT、千六〜千八、条件は変わったものの2勝をあげた底力。この相手なら久々でも脈がある。
以下、どこで復活してもおかしくないマグニフィカ、シーズザゴールド。極量59キロでも、それぞれ見せ場以上を期待する。ルクレルクは重賞通用のマイラーながら、ここまでの勝負弱さがやはり気になる。