3月29日のドバイワールドCを目指す3頭のレース内容が注目されたが、ちょっと明暗が分かれてしまった。
展望が開けたのは勝ったゴールドアリュール=武豊。入念に乗ってプラス6キロの512キロの馬体重。それでいて体に切れがあった。
計算通り好位3番手につけて流れに乗ると、4コーナー手前から早くもスパート。逃げるカネツフルーヴが相手ではないのに、早めにかわす作戦に出た。ドバイのダートはトゥザヴィクトリーのレースが示すように、先行型断然有利。追い込みは苦しく、早めにスパートして先頭に立ってしまう作戦は、まさにこのあとのドバイへの展望だった。最後、ビワシンセイキに詰め寄られたが、これは一気にスパートしたためで、危なげなかった。
イーグルカフェは3着。ジャパンCダート時と同様に中団につけられた。芝と違ってダートの方が追走はスムーズ。追い上げにかかった3コーナーすぎ、前に急にバテたスマートボーイがいて、これが急激に下がってきたため、ブレーキを踏む不利があった。そのあとを立て直し、直線入り口からスパート。一度は先行2頭に並ぶところまできたが、最後に失速してしまった。ドバイではO.ペリエ騎乗になる予定というが、ゴールドアリュールより総合力と、自在性で一歩格下だろう。
アドマイヤドンは追い切りを重ねると体がギリギリになってしまう気の良すぎる気性。3ヶ月のオーバーホールで、明けて4歳のこの時期に、遠征を前にマイナス6キロは誤算だった。細くは見えなかったが迫力不足。スタートでつまずき、2コーナーでは寄られてぶつかる不利。まるでレースにならなかった。
ツキがなく、馬が嫌気を出してしまったのは確かだが、細化した馬体でスタートでつまずいているようでは心もとない。仕上げの難しい馬だけに、ドバイへの長距離輸送が気になる。