今週のオークスのポイントは、東京競馬場の長い直線を乗り切る持久力と瞬発力があるか。要するに、総合的に力のある馬が勝つってことですよね。しかし、出走馬はどれも甲乙付けがたい強者ばかり。
![二冠を狙うジェンティルドンナ](https://cdn.netkeiba.com/img.news/style/netkeiba.ja/data/tsuneishi/120517_01.jpg)
二冠を狙うジェンティルドンナ
その筆頭は、もちろんジェンティルドンナ。今回の鞍上を任された川田騎手、騎乗依頼がきたときは「嘘だ!」と思ったそうです。
先週の追い切りに跨った印象は「“びっしりとやりたい”とのことだったので、気合いを入れて追いました。抜け出してからの手応えは迫力がありましたね。馬体もふっくら見せていて安定感たっぷり。さすが桜花賞馬だなと思いました」と絶賛です。
実質的な最終追いを終えているので、今週は荻野要騎手を背に坂路で気合いを付ける程度にとどめましたが、それでも軽く肩ムチが入るとギアが入り12.3秒をマーク。石坂先生は「時計も動きもすべてOK」と合格点を与えました。
また「距離延長になるけど、メンコを付けてから折り合いも付くようになった。もともと素直に走る馬だしね。東京の直線も、ディープの血を引いて持久力があるから大丈夫」とのこと。二冠制覇に向けて、視界良好といった感じです。
![普段は大人しいヴィルシーナ](https://cdn.netkeiba.com/img.news/style/netkeiba.ja/data/tsuneishi/120517_02.jpg)
普段は大人しいヴィルシーナ
桜花賞では悔し涙を呑んだヴィルシーナ。「デビューのときから、力のある馬だと思っていた」と友道先生が期待して育ってきただけに、樫の冠は譲れません。すでにクイーンCで東京コースは経験済みで、逆転の舞台として申し分ありません。
「桜花賞のときより飼い葉をしっかり食べていますね。順調ですよ」と笑顔で答える友道先生。そうそう、最近のヴィルシーナは「よく食べ、よく眠る」んだそうですよ。先生は「まあ、寝る子は育つと言いますから」と言いましたが、コレ本当だなと思いました。
ポリトラックで3頭併せ行われた追い切りでは、最終コーナーで気合いを付けると一気に加速。相手を楽々抜き去ると最後はなんと8馬身もの差を付けて先着しました。内田騎手は「乗りやすいし、折り合いはつくし距離も大丈夫だし、まったく問題なし。エンジンがかかると、すごい脚を使ってくれるんです」と話してくれました。
ちなみに、内田さんの腕の筋肉ってすごいんですよ。でも、ガツガツ筋トレをしているわけではないそうで、「鍛えすぎは、筋肉を硬くするからダメ。だから、緩やかに馬に乗るイメージをしながらトレーニングしています。大事なのは柔軟生やバランスをキープした筋肉を作ること。この筋肉だったからこそ、落馬したときも、最小限の怪我で済んだんだと思っています」とのことでした。
たしかに、命も危ういような大事故から復活したのも、効果的に鍛えた筋肉があったからでしょう。ヴィルシーナにとって最強の相棒です。
友道先生は「桜花賞の後、息の入れがよかったので長距離は合うなと感じました。もともと、オークスが目標でしたしね」と言っていましたから、ここは一発逆転もありそうです。
![キャトルフィーユ東京2400mは好条件](https://cdn.netkeiba.com/img.news/style/netkeiba.ja/data/tsuneishi/120517_03.jpg)
キャトルフィーユ東京2400mは好条件
この強者たちを相手にGI初挑戦となるキャトルフィーユ。前走の忘れな草賞では2番手追走から、手応えよく早めに先頭に立ち、そのまま押し切る強い競馬をしました。これは、マラソン選手並みと先生が評す強い心臓のおかげでできたレース。このスピードとスタミナが、キャトルフィーユ最大の武器でしょう。
先生が「もうひとつ武器がある」と言い、それが鞍上の福永騎手。初コンビですが「オークス男と呼ばれる、福永騎手とオークスとの相性のよさにあやかりたい」と、その手腕に期待をかけています。
福永騎手を背に行われた今週の追い切りは芝コースで3頭併せ。前2頭を追う形でスタートし、直線では最内へ。そこからは、ぐんぐんスピードを上げて最後は持ったままで11.6秒でゴールしました。ユーイチもこの走りに手応えを感じた様子で「扱いやすいし折り合いも大丈夫。関東への輸送は中山へ行くのに経験しているから心配なし」と終始ご機嫌でした。
で、その後厩舎でくつろぐキャトルフィーユに会わせてもらったんですが、後ろ足が長くて背が高いんですよ。お尻も立派だし、美人(馬?)顔です。
角居先生は「桜花賞組に比べキャリアはありませんが、能力は高い馬です。切れる脚というより、長くいい脚が使えるので東京2400mは好条件」と勝利を期待していました。
さて、最後に僕の気になる1頭、メイショウスザンナ。桜花賞では中団追走から直線でやや窮屈になる場面があり、それでも5着に食い込みました。
最終追いは、先週に引き続きユタカさんが跨ってCWに入りメイショウサミットと併せ。83.5-12.5秒で3馬身先着しました。高橋義忠先生は「先週より締まって、びっしり仕上がりましたね」と満足そう。
「切れるというより、しぶとい脚を使う馬なので、距離延長はチャンスが広がったということ。馬体にも余裕がでてきたので、輸送も大丈夫」と厩舎初GI制覇への期待をふくらませていました。
このほかにも、ワンカラットの半妹サンシャインなども出走。ホント、直前まで馬券では悩みそうなメンバー。楽しみな一戦です。